Denali's Room 一語一絵

旅と猫とあんことスイカを愛する絵描き、デナリこと大野舞が日々をつづっています。

img20041019.jpg薄暗くなったと思った 次の瞬間には
もう闇がやってくる。

たどりついたマリオネット劇場で
人形たちの「ドン・ジョバンニ」を観る
それはまったく奇妙な饗宴で
生きてない事が不思議なくらいの
糸で吊られた人生の数々
人形達がバーで打ち上げをしていても驚かない

カーテンコールのそのあとに
こっそり舞台に上って
モーツアルトの真似事。
img20041019_1.jpg

img20041014.jpg
夕暮れのカレル橋、楽隊や似顔絵描きでひときわ賑わっている中心には、1つのレリーフ。
触ると幸福が訪れるというそのレリーフに、こっそり触れるのはレディーミノムシ。

「べ、別に信じてるわけじゃないわよ かわいいから触ってるだけですからね」

img20041014.jpg夕焼けは
どこにいてもやってくるものです
それは明日が
どこにいてもやってくるのとおなじです

見知らぬ町の夕焼けも
自分の町の夕焼けも

みんな明日につながっています

そして次には大きな鳥が
月を運んでやってくる





img20041012.jpg聖ヴィート大聖堂の中で物知りピエロは言いました。
「お城の中に大聖堂がある、っていう様式はヨーロッパでは珍しいんだ。聖ヴィート教会が建てられたのは西暦930年頃なんだけど、その後何度も改築されて、現在の姿になったのは600年も経った20世紀のことらしいよ。これが有名なアルフォンス・ミュシャのステンドグラス。ちなみにチェコではムハっていうんだけど・・・」

まだまだ続きそうなピエロの解説が耳に入ってこないほど、リーはうっとりとその美しい曲線を眺めつづけました。

img20041011.jpg「たとえば、それがプラハ城の前でも、夢の中でも、あなたの机の引き出しの中でも」

「忘れられない限りはね」と、マジシャンが付け足しました。

リーは、こうしてサーカス団と出会いました。
へたっぴな彼らの芸を、道ゆく人は誰もみていません。
こんな変なサーカスを、見たいと思っている人がいるなんて、思えませんでした。
けれど、リーはとてもおもしろそうだと思ったので
しばらく彼らについていこうと決めました。

img20041011.jpg
「どうも」

ぬっと現れたのはサーカスの団長。そこにいた事にいままで気づきませんでした。
リーは尋ねました。
「プラハで興行中なの?」

「わたしたちは”パンと人形”サーカス団。ひとりでも観客がいるところにはどこにでも現れます。」

img20041009.jpg
看板には「BREAD&PUPPET」とあります。

後ろからたまのりもあらわれました。

ゆらゆら、ゆらゆら けれどなんだかブルブル震えているたまのり

「そんなに怖いんだったら、降りてくりゃいいのに」マジシャンは言いました。
それでもたまのりは決して降りてこようとしませんでした。

リーは、球の上にいるぶんだけ、もっと良い景色が見られるのじゃないかな、と思って
うらやましい気持ちになりました。

正門に立つ衛兵の前を通りかかったとき。
どこからともなく、アコーディオンの音が聴こえてくる。
陽気な、けれどどこか悲しくなるその音。
いつかどこかで聴いたような
それでいてはじめて聴くような。

「バラバラになっても、ほら、もとどおり!」

道端で芸をしていたのは、ちょっとへんてこなサーカス団。
img20041007.jpg

img20041006.jpg進め 進め 振り返るな 
振り返った後ろに未来はないのです

まずは扉を開けましょう
そして未来を紡ぎましょう
鍵はかかっていないから

引き続いての黄金小路
赤い壁に緑の扉
ねんがらねんじゅうクリスマス
地べたに座り込んで描きとめる


img20041005.jpg
ほの暗い塔の底には
外の音が全く届かない

ひんやりと冷たい カビくさい空気
外から差し込んでくる光はとてもまぶしくて

この中から外を見てきた多くの人の
心と一体になったような気持ちになる
暗闇の中にいたならば
一筋の光が生きる理由になったりするんだろう

時間を忘れて、しばし過ごす。

↑このページのトップヘ