Denali's Room 一語一絵

旅と猫とあんことスイカを愛する絵描き、デナリこと大野舞が日々をつづっています。

3sru8qar.JPGどっしりずっしり

fux64enp.JPGなにを待っているわけでもない
なにを求めているわけでもない

空気のように
壁のように
寄り添って
ただそこにたっている2M以上の大男が2人

カナダケベック州の町はずれ

ただの大道芸人なのに
10年近くたっても全然忘れられないから
何故か思い立って描いてみる。

ck0b8spe.JPGコップさん。  
中身によって表情はくるくる   
怒りのトマトジュース      
美白の牛乳に日焼けのカフェオレ    切ないサイダー 恋するカクテル
絶望のコーヒー 

タフに見えますが、後頭部はちょっとひび割れてます。

roxqvrw4.JPG立体を作るのも大好きです。しばらくやっていないけれど。これは、以前作ったすりガラスのお皿。

95lyympk.JPG

”パンと人形”サーカス団 

へたくそな軽業師に
猛獣のような猛獣使い
高所恐怖症の玉乗りに 内気なピエロ
忘れっぽい空中ブランコ乗り
口の悪い腹話術師
1つしか芸のないマジシャンに 
影の薄い団長

それは
どこか未完成なものたちが集まった
どこか未完成なサーカス

テントもぼろぼろ 今にも切れそうなロープ 出来そこないのサーカス団

けれど たったひとりお客がいれば

サーカスの幕は上がる

あなたの為に 幕は上がる

舞台の上には 未完成なひとときの夢

どこにでもあるありふれた
そしてどこにもない奇跡

幕が下りたら

後には何も 残らない

8cwfdxro.JPG箱入りのマジシャン

彼女が出来るマジックは 1つだけ

のこぎりで切られて 身体はバラバラ
箱をあければ ほら、元通り!

のこぎりで切られて 身体はバラバラ
箱をあければ ほら、元通り!

のこぎりで切られて 身体はバラバラ
箱をあければ ほら、元通り!

それだけを毎日繰り返す

そのうちなんだか気に入って
箱は彼女のベッドになった

気分が乗らないそんな日は
彼女は箱から出てこない

hy879jt9.JPG口の悪い腹話術師

人形は いつでもぺちゃくちゃ

誰かの飼っていた猫が風邪ひいたとか
客の1人がどれだけ嫌な奴だったとか
生きるってなんて変なことなんだとか

その口は閉まることがない

彼の技術は素晴らしく

彼自身はサーカスに入ってからというもの
ひとことだって喋っちゃいない。

本当は彼が人形で
人形が彼なんじゃないかと

皆こっそり疑っている

81pu1dsg.JPG背は高く
黒い燕尾服にシルクハット
金ボタンに
ピカピカの革靴

どこからどうみても
完璧なサーカスの団長

だのに
存在感がいまいち足りない団長は
舞台にいるのに気づかれず
ゾウにマントのすそを踏まれ
いつも皆の後ろで
静かに微笑んでいるばかり

誰よりサーカスのことを考え
誰より皆を想っている団長

「あら、どちらさまでしたっけ?」

忘れっぽい空中ブランコ乗りは
いつまでたっても団長の顔を覚えられない

kdy4k970.JPG物忘れのはげしい空中ブランコ乗り。

女はいつも、ブランコからブランコへ飛び移るタイミングを間違える。

3年前にブランコから落ちて
ひどく頭を打ってからだ。

それだって本人はもう覚えていないけれど。

一番困るのは本番の最中に
自分が何をしているのだか分からなくなってしまうこと。

壊れた時計の振り子のように
吊るされた女はいつまでもそのまんま。

g7bl1oeq.JPG内気で泣き虫なピエロは舞台に上がるのがが苦手。

めずらしく客が20人ほど入ろうものなら、すっかりあがってしまってミスばかり。箱の中から消えられないで、笑われれば涙をぽろり。

なぜ彼がピエロになったのか、
それを誰もしらない。

泣き虫ピエロは本を読むのが大好き。
一人で考え事をするのが大好き。

今日もピエロは険しい顔で
幕が上がるのを待つ。

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