けものとおんな

シャンプーとリンスについて考えた。
なぜなら昨日私の人生史上一番高価なシャンプーとリンスを買ったからだ。といっても2000円くらいだが、2つセットなら4000円だ!

この値段を「ええっ高い!」と思うか、「え、それで高いって思ってるの?」と思うか、きっと分かれるんだと思う。
この10年間私の髪はずっと少年のように短く、それに加えてもともと美容関係にお金を使うほうではないため、ドラッグストアでセールで売ってる500円くらいのシャンプーでなんら問題を感じたことはなかった。

しかし今ここ10年で一番くらい髪が長い。伸ばしたい、というよりは、ちょっと伸びては切る、という「パターンからの脱却」、つまりは自分の意志力を試すためのひとつの方法の実践として、伸ばしている。
そして必死に切りたい衝動と戦っている。旅先で切るのは楽しいからミコノス島で切ろうと思ったけれど、最終的には時間のタイミングが見つけられなくて切れなかったので、ひとつの波は去った。

そして「長い髪はケアが必要」というごく当たり前のことが、いちいち衝撃。だって、今までドライヤーなんてほとんど使ってなかった。すぐ乾くし。トリートメントとかもあんまりしてなかった。もう本当、獣のようにそのまんまだった。それを長くなってきても続けていたら大変ゴワゴワボサボサなことに。
美容師さんにも「安いシャンプーはシリコンが入っているからやめた方が良い」という都市伝説的な脅しをされて、「よし、形から入ろう」という思案の結果として、思い切って高いシャンプーとリンス(ノンシリコン)を買ってみるという行動に繋がったわけであります。なんと!マイナスイオンドライヤーまで!ひゅーひゅー!(←?)

私にとっては本当に画期的なこと。髪を伸ばすことでこんな新しい世界が見えてくるなんて思ってもみなかったのです。ロングヘアーをキレイにキープしている人がどれだけそこにお金と時間をかけているのか、という事にもはじめて気づくことが出来、髪の長い友人に対する尊敬の念が増したのです。考えてみれば世の中には100円ショップのシャンプーから、きっと2万円くらいのシャンプーまであって(私の乏しい想像力の限界)それぞれにユーザーがいるのだ。そして4000円のシャンプー&リンスが、これまでのと何がどう違うのかまだ発見できてないが、そのうちきっと「おお、これが差額分か!」と叫ぶくらい髪サラサラになるんだきっと。

どうでもいいことを長く書いてしまいましたが、「シャンプー&リンス」というものは非常に日常的であり、更に消耗品であり、価格の幅が広く、ある種の価値観が瞬時に現れるものとしての分かりやすいモノだなあ、と思って。食べものやファッションとかだともうちょっと構造が複雑な気がする。
いくらのシャンプー使ってますか、と統計をとってみたい・・。きっとそのグラフは分散型じゃなくて二極化に近いものになるんじゃないかという気がする。

しかし、結局伸ばしてるのも、一気に短くした時の爽快感を味わいだけのような気もするからある意味「髪のばしのプチ断食」と言えるかもしれません。なんじゃそら。