mori
屋久島から帰ってきても、まだ屋久島の自然のエネルギーが体中に満ちている感じがします。屋久島、すごいところでした。そのすごさが、単に「いいところだった~」という種類のものではないのです。全然、違うのです。私自身の無知ぶりをさらすと、行く前はもっと沖縄に近い、自然がすごい南のリゾート、というくらいのイメージでした。でもそんなの大間違い。あれは日本のガラパゴス、もしくはマダガスカル。
1400万年前(!)には既にあった屋久島。氷河期や噴火を何度も経て、外界から閉ざされた独特の生態系を長きにわたってはぐくんできた島には「世界中でここでしか見られない」生き物や植物がとても多い。車で一周しても3時間くらいの島なのに、2000メートル級の山々が連なっています。つまり、海岸からすぐ山!上には厚い雲がかかる洋上のピラミッドみたいな島に、小さな飛行機で近づいていった時にはここ日本だったっけ、どこだったっけ、と思いました。
島の気候は垂直分布という珍しいもので、つまりひとつの島に亜熱帯気候から亜寒帯気候までがまっすぐに垂直に、分布しているのです。日本を垂直に、立てたみたいなもんです。山のふもとは沖縄、山のてっぺんは北海道。だからこそ世界自然遺産に認定されるわけですが。島全体が保水しない岩で出来ているので、雨がふるとすぐあちこちに滝が出来る。だからこそ苔がびっしりと生い茂り、常に生け花で使うオアシスのような役割を果たしているのです。お世話になったガイドさんの青木さんは「島全体が1個の盆栽みたいなもんですよ」と言っていたが、それにすごく納得した。そんなところで石に張り付いて、何万年も繁栄する太古からの自然のすさまじさには圧倒されて言葉も出ない。

koke2
苔がぎゅうっと水滴を抱きしめている感じがとてもキレイ。青木さんには面白いことをいろいろ、教えてもらいました。屋久島の自然についてや、苔だけで650種類以上あることや、樹齢1000年をこした杉だけが屋久杉と呼ばれて、それより短いと小杉、その中でも縄文杉は7000歳以上だといわれていることなど。
私は滞在時間が短かったので、今回は縄文杉はあきらめ、もののけ姫の森がある「白谷雲水峡」というところを半日かけて歩いた。その後は滝を見に行ったり「西部林道」というサルとシカの王国みたいにいなっている山道にも行った。もちろん2泊で分かる屋久島の魅力なんて本当に一部だけなんだろうけれども、それでも私はこの島の持っているエネルギーそのものに魅入られてしまったのでした。私が日本でこれまでいった場所の中で一番、自然が暴力的にただそこにあり、人間はおまけで居させてもらっているような気がした。アラスカと似てる。

nanahonsugi
今回私が一番シンクロできた屋久杉、七本杉。やさしいおじいちゃんみたいに見える。この杉だけでもひとつの宇宙になってて、いろいろな生き物が住んでいる感じがする。これでも2000歳くらいだなんて、縄文杉はどんだけ~!って思う。

unsuikyou
豊富な水を常にたたえている雲水峡谷。シャッタースピードを落としてみたら、私でもこんなちょっと煙ったみたいな写真が撮れました。オリンパスPENを持っていってよかった。エセカメラ森ガールですわ。

shika
仲よさそうなシカの親子。歩いていると、あちこちからいきなりシカが出てきます。ふっと気づくと遠くの方からじーっとこっちを見ている一頭の大きなオスのシカが居たりして、悠然としたその姿はまるでシシ神さまのようでした。

okkotonushi
もののけの森には、乙事主さまも居ました。分かるかな??
いやあ、いるね。いろいろな生き物が。まだまだいろんなものが。
森中びっしりコダマだらけだし、モロ一家も、デイダラボッチも出るね、こりゃ。もののけ姫好きなので、サンになった気分で森の中を走っても楽しいです。(妄想)

kirikabu

空洞化した屋久杉の切り株の中から上を見上げると、空が切り取られています。切り株の中はあったかくて、包まれているようで、なんだかお母さんのおなかの中から産道を通じて外界を見ている赤ちゃんになったような気分。

taki
滝。雨が降ると滝は激しさを増して太くなり、逆に晴れの日が続くと今2本見える滝も1本になるのだとか。

ちなみに関係ないのですが、私が森を歩いていたらいきなり押切もえちゃんがいて、ある意味どんな野生動物を見るよりもたまげました。顔が小さくて可愛くて、原生林の中にいるもえちゃんは妖精さんのようであった・・。顔小さすぎ!しかし、私が先に坂道を降りないとご一行さまが上に上がれない、という微妙なポジションに居てしまったために、私が急な坂を降り、時々ズルッと滑ったりみっともない姿でヨチヨチしているさまを、もえちゃん含めその場にいた人が「じーーーーーー」っと見て待っているという状態になってしまい、本当にいやだった・・。でもそんな中でも妖精さんは「急がないでいいですよ~」と声をかけてくれましたとさ。でもそれで余計に緊張してまた転んだけど!

sigo
くぐり杉。私との対比で、杉の大きさが分かるのではないかと・・。

写真、まだまだたくさんあるのですが、とても載せきれないです。ともかくもこんなところは日本に他にないのではないかと思うので、イメージするだけじゃなく、是非訪れてみて欲しいです。私も次は縄文杉を見るキャンプに参加しようと思います。青木さん宜しくお願い致します!(屋久島パーソナルエコツアーのサイトはこちら

お世話になったホテルつわのやのみなさま、本当にありがとうございました。
とにもかくにも取材で行かせて頂いたので、見たものをしっかりと、作品に生かせるように頑張ります。太古の神様のエネルギーを注入してもらったと思うので、なんだか良いものになりそうな予感がする。

もうひとつみたいものは、海がめの産卵。季節が6~8月とかなのでこれも今回は無理だったけれど、屋久島は北半球で一番海がめがタマゴを産みにやってくるところなのです。それもあんまり知られていないんじゃないかと思う。屋久島で生まれて、太平洋を3~40年も旅して、そしてまた屋久島にタマゴを海に帰ってくる亀たち。その間には一体どれほどの壮大な物語があるんだろうなあ。

亀に関しても私は無知な上、マンガを通じての先入観を持っていたために、青木さんに「海がめって満月の晩に浜辺にやってきて、卵を産んで、そしてその時には涙を流しているんですよね?!」と鼻息荒くしながら聞いたら、

「ああ、あれは単に超ドライアイだからなんですよ。あと、別に満月じゃなくても来ます。」

ばっさり言われた。