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ちょうど1年前、私は10日間ほどのメキシコの旅へと出発しました。行き先はユカタン半島。カリブ海でクリスマス&ダイビング三昧、というのが目的だったのですが、その中でも一番楽しみにしていたのが、地底湖セノーテでの洞窟ダイビングでした。
セノーテとは、聖なる泉&井戸という意味で、ユカタン半島全体の地下水脈のこと。ユカタン半島は地下全体に淡水の水脈が走っていて、川がないので雨はすべてセノーテに流れ込み、鍾乳洞のようなところに淡水がたまる、地底湖となるのです。ちなみにユカタン半島だけで100箇所以上のセノーテへの入り口があり、誰もその奥の奥までは行ったことがないので、実際は全部どこかで繋がっているとも言われています。

そんな、何とも神秘的な洞窟。なんで1年も前の旅のことをいきなりまた書いたかというと、この間見た夢の中で行った、死んだ人間が魂を浄化して生まれ変わるための青い深い湖、これが今思えばとてもよくこのセノーテに似ていたなあ、という事を思い出したからです。まさに、こんな感じの色だったのです。
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これがセノーテの入り口。私がもぐったポイントは「チャックモール」というところで、ここからエントリーします。チャックモールというのはちなみに「雨神」のことです。

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こんな風に光が上からさしてくる感じ、夢の中とまさに同じ光景。

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洞窟の中は淡水なので、海水よりも浮力を調節するのが難しく、結構私はあわあわしてしまったのですが(しかも閉所恐怖症だから、閉鎖空間に居るという事を考えないようにしないとパニックになる)それでもこんな風にエアを吸う事も忘れてしまうほどの光景にたくさん出あえて、夢がかなっているその瞬間の喜びをかみしめたのでした。

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巨大な魚がうじゃうじゃ泳いでいるコスメルなどの海と違って、セノーテには魚はほとんどいません。小さな黒い魚を何匹か見ただけでした。だから風景がとても静かで、それがまたいいんだけど。そして透明度なんと100メートル!!これは海水の中ではまずないくらいのすごい数字です。

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3人見えるうち、真ん中にいるのが私です。後ろのグループの方が撮ってくれました。私は水の中ではもうまわりを見渡すだけで精一杯で、とてもカメラをやる余裕はないのですが、もうちょっと上級ダイバーになったら挑戦してみたいなあ。

ということで、当時の旅行記には載せていなかった写真も含めて、セノーテに今再び、思いを馳せてみました。自分でも読んで財布をまるごとすられた事も思い出した!

セノーテダイビングは私にとって、何をゆさぶり起こされるような、大きな体験でした。エクジットポイントからまたち上に出た時は、もう一度生まれたような気分。日本にも「胎内めぐり」という言葉があるように、洞窟を産道や胎内に見立てて巡る、というような考え方がある。そういう意味でも、メキシコのセノーテにもぐることは、地球というお母さんのおなかの中にもぐって、そしてもう一度この世の中に生まれるという行為なのかもしれないと思う。

セノーテの中には、地上にあるような意味での時間はない。波はなく、生き物の気配は少なく、あるのは透明な水と、ほんの少しずつ成長してゆく白い鍾乳洞。そういう意味で、止まっている。世界が終わってしまったあとの風景のような感じもする。それでもそこに入ってもう一度外に出た時、人は再生し、再び生を生きるための力をもらっている。そんな生と死を思わせるこの世に属さない場所。

すごいところだよ、地球。まだまだすごい風景がたくさんあるんだろうと想像するだけで飛び跳ねたいくらいの気持ち。
死ぬまでにもう一度行きたい場所があるとしたら、ここを挙げるだろう。
でも私のあの夢がもし本当だったなら、死んでからもまた、ここに戻るのかもしれない。