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この間作った器が出来た!実に10年以上ぶりに作った器であります。カレルチャペックの顔みたいでかわいい!ような、でもやっぱりコワイような!笑 スープとかを飲んでいるとうっすらと底から顔が出てくるので、ちょっとぎょっとします。
今年に入ってから始めた焼きもの。ずーっと昔アラスカの高校で陶芸のクラスをとっていたということは以前書きましたが、とにかくはじめたいはじめたいと思いながら先延ばしにしてしまっていたので、今年、いよいよ現実化させることができてとても嬉しいです。
どうして今の陶芸教室に通うことになったか、というと、これまた様々なシンクロニシティのなせる業でした。陶芸教室といっても都内にはものすごい数があり、そのどれもが個人主催のもので、全く知識のない私にはどこにいけばいいのかさっぱりでした。
友達が通っている教室の、体験に参加させてもらったりもしました。それはとっても楽しくて、写真の出来上がってきた器はその時に作ったものなのですが、ちょっと場所が遠かったので、毎週通えるかな、と迷ったりしていました。といって気になる全部の体験教室に行くわけにはいかず。どうしよう、と思っていたところ。

ある人から今年のカレンダーのご注文メールを頂きました。そのメールによれば、その人は陶芸家で、自分自身は新聞をとっていないが、自分が主催している教室で器をくるむために緩衝材として丸めて使っていた新聞が、たまたま毎日新聞、そしてたまたま「もしもし下北沢」の載っている回で、私のことやカレンダーのことを調べてご連絡くださったのです。陶芸教室を探している時に、陶芸家の方からメールを頂くなんてなんというタイミング・・!

しかも、ちょうどその時、その人が銀座で2人展をされているというではありませんか。私は早速会場にお邪魔しました。その人の器がどれも本当に素敵で、一目ぼれした大皿を衝動買いしてしまったのですが、その人自身の拠点は神奈川県なので、やっぱり遠いから無理だな、とがっかりました。そうしたら、その2人展を一緒にされていたもう一人の女性が先生をされている教室は比較的うちの近くだということが会話の中で発覚し、そうやってするする~っと紐がつながっていったのです。

そして、この縁を信じて行ってみよう、と思って、体験教室に行ってみたのが3月11日。皿を作っている最中に地震が来て、体験どころではなくなってしまいましたが、でも一緒に避難したり身を寄せ合って午後を過ごしたことで、はじめて行った教室だったのに不思議な信頼感と連帯感が生まれました。

ということで、私はその1通のカレンダーの申し込みメールをもらわなかったら、おそらく一生繋がらなかったであろう縁のおかげで今の教室に出会うことになったのでした。その人のメールがただの申し込みメールだったら、私はきっと普通にありがとうございました、と商品を発送して終わっていたのだと思います。
隠されているちょっとしたヒントを見つけてそれを組み合わせていくことで、人生は大きく変わっていくんだなあ、とあらためて思います。感謝です。

そして前置きが長くなりましたが、陶芸教室、本当に楽しい。粘土をこねたり形をつくったり、乾いたものを削ったりしていると、3時間くらいあっという間!この間は丸々6時間、湯のみを削り続けました。
目の前に座っているおじさんが、金つぎした自分の器を10分くらいじーーーっと無言であらゆる方向から見つめて、「・・・どうも気に入らねェなあ」といって置いたりする姿にいちいちしびれます。本人にしか分からないような、ちょっとしたでこぼこや、角度や、厚みや、形、どれかをほんのちょっと変えるだけで、全てが違う作品になる。それもまた人生と似ているなと思います。

何気なく使うような、オーソドックスな形の湯のみ。でもこれを作るのがこんなに大変なんだ!!と陶芸の世界の奥深さを感じています。数ヶ月かけて、湯のみが1つ。でもきっとそれを使う時にはすごく特別な気持ちになれるはず。まだまだ始めたばっかりで、初心者すぎますが、続けていきたい習い事が見つかって嬉しい。

自由にいろいろな形が作れるようになったら、どんなにいいだろう!
器だけじゃなくて、人形とかオブジェとか、作りたいです。
そもそも捏ねるのがすきな魂なのです。
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6時間削った湯のみ。