juneau

旅も終わりです。ジュノーを満喫しています。

この町は小さいので(州都なのに!)数日歩くだけで私みたいな方向音痴でも地図が体に入ってきます。お気に入りのカフェ(Silverbow Bakery)も見つけて、毎日のようにコーヒーを飲みにきています。ここのベーグルが絶品!
silver

アラスカのカフェでこのクオリティと雰囲気は本当に貴重であった・・・すっぱくてお野菜ごろごろなスープも美味しかった。下北沢に欲しいなあ~!

何度も書いている星野さんの本「旅をする木」に出てくる古本屋さん「オブザーバトリィ」にも行きました。本に出てくる通りの入り口で居眠りしている老犬と、本に出てくる以上に博識でおしゃべりが大好きな女主人デイィと話し込んで、イヌイットアートの本を1冊買いました。星野さんの話をたくさん聞けて嬉しかったなあ。

observatory

フランクリン坂の上に建つ、とても雰囲気ある建物。ディィの許可を得たので写真載せちゃいます。

whale

遠くで潮を吹いている20頭くらいのクジラ。こういうときはでも、カメラをのぞいてないで自分の目でみなくてはね。ということであまり写真が撮れず。

昨日はホエールウォッチングに参加したのですが、たくさんのシャチやトドたちに加え、これでもか!というくらいザトウクジラを見ました。人生でこんなにクジラを一度に見られる日が来ようとは。夏だけしか見られない「バブルネットフィーディング」という群れでの行動を間近で見ることが出来て鳥肌が立ちました。中でも感動したのは彼らの歌声。水中の音が聞ける機会が船に積んであったのですが、彼らは本当に常に声をかけあっていて、その歌声はとても神秘的。そしてその声が、みんなでタイミングを合わせて一気に水面に上昇する時に、明らかに変わるのです。音頭をとっているリーダークジラに合わせて、それまでは低くゆっくりだった彼らの声が「さあ、みんないくよ!」という甲高いリーダーの声に合わせて、だんだんと高く、早くなっていきます。そしてその速度と高さが最高に達した時に、十数頭のクジラたちが一気に水面に、口をがばーっとあけて出てきて、泡包囲網で追い込んだ魚を食べます。その迫力たるやもう・・。彼らにとってアラスカはキッチン。ハワイがベッドルーム。なんというスケール。そのあとも水面にジャンプしたり尾をフリップしたりのザトウクジラたちのショーが繰り広げられた。あんな大きくて偉大な生き物が同じ時間を生きているなんて、地球に来てよかった!!!今回はグリズリーにも遭遇したし、野生な旅だったな。しかしたまたま旅の間に読もうと持って来た本が村上龍の「歌うクジラ」だったことがまたシンクロです。

hana

今日は最終日なのでトラムに乗って、ジュノーの山に登ってみました。ハイキングトレイルがあるというので行ってみたら、やはりここはアラスカ、なめちゃいけない・・。簡単に一周出来そうと思って足を踏み入れたら、相当本格的な山登りをしてしまった・・。でも、風景が素晴らしかった。誰もいなくて空は綺麗で、遠くに雪解けで出来た滝の音が聞こえて、風は気持ち良くて、野の花がたくさん咲いていて、天国かと思った。谷の向こうの方で何か黒いものが動いていると思ったら、ブラックベアの親子だった。たくさんなっているベリーを食べるためかな。子グマが坂を登ろうとして、足を滑らせてゴロゴロ転がっていったのがおもしろかった・・。遠くにいればかわいい、クマ。満足して帰る時にふと道端の立て札をみたら「この先未舗装、落ちたり死んだりした事故あり。行くのは自分の判断で」みたいな立て札。行きがけにスルーしていたのだ!私は途中から観光用のハイキングトレイルをすっかり外れていたのです・・。通りで、わさわさと植物をかき分けないと進めない道なんて変じゃないかと思ったよ。あぶないあぶない。

raven

森の中の木にふいに現れるワタリガラス。

さあ、帰ろう。アラスカの空気をたくさん充電したから、また頑張れそう。ダウンジャケットとホッカイロが欲しかった旅から、覚悟して猛暑の中に戻るぞえ。極端だ。