下北沢

吉本ばななさんの「下北沢について」(幻冬舎)が9月23日発売になりました。
表紙を描かせて頂きました。

今はもう私は下北沢に住んではいません。
でも、目をとじれば、いつでもあの街に戻ることができます。

下北沢に一人で越してきた時の自分からみたら、遠い未来、神戸で2人子育てしてるなんて、天地がひっくりかえっても想像できませんでした。人生で一番いろいろなことがあった時代を過ごした街、下北沢。街とは単に「家がある場所」ではないんだと、有機的に「街と関わる」というのはこういうことなんだ、と気づかせてくれた場所。

そもそも私が駒沢大学から下北沢に引っ越してくる、背中をおして下さったのがばななさん。そのばななさんからお話を頂いて、「やります!」と飛び上がったのが昨日のことのようです。ネットでなんでも買える世の中、下北沢でしか買えない、というのが大事だ、と話し合って、本屋さんのB&Bから発行されるムック版の「下北沢について」の連載の絵を描かせて頂くことになったのが約3年前。チーム「下北沢について」で10冊が作られて、それがひとつの形になったものが今度は世界中で買えるものとなり、今神戸で手にとっている不思議。

下北沢は今も私にとって人生で一番特別な街。
この本は人生で一番特別な本かもしれません。

ばななさんの言葉は、道に迷うたびに
明るすぎない、暗すぎない、確かな光となって寄り添ってくれます。
自分がいる場所が、家が、駅前の景色が、昨日と同じはずなのにちょっと変わって見えるようになる、いつものお店の人と、いつもはしゃべらないけどちょっと話したくなる、そんな本だと思います。

あの場所で過ごした奇跡のような時間は今でも私の宝物です。
この物語に関われたことを心から幸せに思います。