sange
こちらは一番最近のお仕事ですが、これまでにやったことがないものを作らせて頂きました。それは「散華(さんげ)」というものです。ご依頼頂いたのは東京都港区、芝にある西應寺さんという、お寺さん。散華とは、寺院での法要の時に仏さまを供養するために撒く花のこと。もともとは本当の蓮の花びらが使われていたようですが、今は蓮の形をかたどった紙が撒かれるようです。

法要のための仏具。
描くのは極楽浄土。

ご依頼を頂けた事はとても嬉しく光栄だったのですが大役に緊張してしまい、極楽に関する知識もなかったので、時間もかかりました。極楽ってどんなところ?極楽にいる動物は何か?どんな音楽が流れているのか?あったかいのかな?空気はどんな匂いなのかな?といろいろ想像をめぐらせました。

極楽、つまり天国、漠然としたイメージはあっても実際には知らないことだらけ。でもいざ描き始めたらとても面白く、頭がからっぽになっているのに指が動いているような感覚があり、ちょっと幽体離脱に近かったような気がします。(幽体離脱ちゃんとしたことないけど...)


「七宝池」「天女」「白象」「羅網」「妙見鳥」「金砂」

の6種類あります。極楽の色は、極彩色。たくさんの色であふれているイメージを形にしてみました。西應寺さんの法要でのみ使われるものなので、ほとんどの方は目にすることはないかと思いますが、許可をもらって紹介させて頂きました。原画をおさめさせて頂いたので、お寺の中で原画を見ることは今後できるようになるかもしれません。

極楽浄土の花である蓮の花びらを撒くなんて。神聖な儀式のことを、素敵、そう言ってしまっていいのかわかりませんが、粋な感じがします。晴れた日にいろいろな色の花びらが空に舞う様子を想像してみると、想いはどこまででも届くのではないかという気がします。いろいろな散華を集めているコレクターの方もいらっしゃるとか。私の散華も集めてもらえるでしょうか。

「日本の神様カード」シリーズといい、日本の神様や仏さまたちに助けられすぎていて、感謝しかありません。ありがとうございます。
羅網

「羅網」
妙見鳥

「妙見鳥」
白象

「白象」
天女

「天女」
七宝池

「七宝池」
金砂

「金砂」
裏

裏面です。