ley6m78t.JPG「白い巨塔」(原作を読んでドラマは最終回しか見てない)以来、山崎豊子にはまってしまって今読んでいるのは「沈まぬ太陽」。
この人の本を読んでいて本当にすごいと思うのは、ある特定の年代の特定の事象についてすごく深く掘り下げている物語なのに、結果としてそれが出版されてから20年以上たった今の時代にもマッチしているところ。それってつまり、業界の中身なんてそうそう変わってないって事だろうか。医学界にしても、航空会社界にしても。最初白い巨塔読んでたときなんて、途中から完全に「現代」を描いていると錯覚してしまって、文章の中に「給料が3万円」とか出てきてて「え、教授なのにこんなに安いわけ?!」とか混乱してしばらく気づかなかったくらいだ。
ただ、「沈まぬ太陽」に関しては今だったら違うだろな、と思うところがある。
主人公の恩地が、(ちなみにこのひと、里見と財前もそうだけど名前が結構その人を表すみたいになってる事多いよね。恩地のライバルは行天、だし)テヘランやカラチ、ナイロビなどの僻地を10年もたらいまわしにされているにも関わらず、絶対に「会社を辞める」っていう選択肢を考えてないところ。会社の都合で流刑にされて、家族にも迷惑かけまくって、それでも会社をやめるわけにはいかない、と常に考えてる。終身雇用が当たり前だった社会に書かれた本だけど、今だったらここまでされたら「もういいや、辞めてやる!」ってすぐに思うんじゃないかな。全く変わってない部分と、変わってる部分。そこを考えながら読むのがおもしろい。