qfpp4k8w.JPG日曜夜の友人&後輩の誕生日会、楽しく過ごしてさあ寝よう、と横になったとき。午前1時くらい、窓の外からいきなり絶叫。「助けて!!」女性の声。続けて何度も。「助けて!助けて!助けてぇ!!!」
こう書くと伝わらないかもしれないけれど、闇をつんざく悲鳴とはまさにこのこと。大音量でマンション全体に響く響く。本当に今にも殺されそうな声で。私は飛び起きた。変な汗が身体中からどーっと出る。こんな感じ、何回か味わったことがある。胃がよじれるみたいな嫌な感覚。それまでの日常がサラサラと崩れて、当たり前みたいに「非日常」がやってくる瞬間。それは地震の最初の「グラッ」という揺れがくる瞬間とちょっと似ている。

結局は単なる男女の喧嘩で女性がヒステリックになっていただけという事がわかったんだけど、変な汗はその後も止まらない。悲鳴が今も耳から離れない。
声を聞いた時、外にすぐ出て行けなかった。危険かもしれない、ナイフを持っている変質者がいるかもしれない、と考えたら足がすくんで。それだけすごい声だった。様子を見に行った友人を行かせたくない、と思ってしまった自分。助けて、と悲痛に叫んでいる女性の事より、自分や自分のまわりの人の事を考えてしまった事実にとても落ち込んだ。けれど誰かがいなくなってしまうのはもういやだ。かっこ悪くてもいい。そう思ってしまう事は自分勝手だとも思う。自分さえ良ければいいなんて人間になりたくない。けれど私は、目の前で誰かが助けを求めていたら本当に危険を考えずに動けるんだろうか。本当に、そこで一歩を踏み出せるだろうか。いつも考える。いつかやってくるかもしれないその「瞬間」のこと、まだ私には無理なのかもしれない。ハードルはまだ、高い。

だけど、きっと踏み出せると信じたい。

6月の雨のにおいは特別なにおい。