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デナリがうちにきてから、私の心はとてもはずんで、家で留守番をしているときも、前ほど寂しいと感じることはなくなっていました。学校から帰って名前を呼ぶと、家の中のどこにいても私のところまで走ってくるデナリがとても愛しく、楽しい日々が続きました。
ところが。
ひよわな彼女は、うちに来て2週間くらい経ったときに
早速とんでもないことになってしまったのです。
最初は、妙に鼻がずるずるしているなあ、という程度だったのですが、そのうちに明らかに様子がおかしくなってあまり動かなくなり、触ってみると小刻みに震えています。ただの風邪だったのですが、そもそも体があまり強くない上子猫だったこともあって、容態はどんどん悪くなっていきました。

焦って真夜中に彼女を段ボール箱に入れて、お母さんと一緒に近所の病院に連れて行ったとき、お医者さんに「これはもうだめかもしれないね。生きる確率は50%だね」と言われて、目の前が真っ暗になったのを覚えています。
せっかく一緒に暮らし始めたばっかりなのに、なんで!?と、すごく動転しました。
ちっぽけなデナリはとても苦しそうに、台の上でちぢこまっていました。

そうして、まだだめと決まったわけじゃない、というお医者さんの言葉を頼りに、お母さんも、アリシアも、リーも総出で協力して、デナリを看病することになったのです。まず、24時間、誰かがちゃんと見ていること。それから、その間ずっと、2時間おきにミルクと薬をやること。もちろん、真夜中も。家族全員で分担して、午前2時の分は私、午前4時の分はアリシア、というように時間を決めました。ミルクは、哺乳瓶であげます。私はその間中、ずーっと、「がんばれ!」と心の中でデナリにエールを送っていました。

そんな大変な時期が2日間ほど続いて、3日目に私が学校から家に電話したときにお母さんが"She made it!"(彼女はもう大丈夫よ!)と言ってくれて、その瞬間ヘナヘナヘナ。

デナリはやってきてすぐの時から、そんなお騒がせな猫だったのです。
あのとき、もしデナリがいなくなってしまっていたら、今のデナリという絵描きも存在していないと思います。頑張って生きてくれた子猫のデナリに乾杯。