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2泊3日、和歌山県熊野の旅。
リアルタイムで旅の様子をお伝えしていたので、あとはあれこれ追加で書きたいと思います。
行きと帰りは大変だったけれど、かの地は本当に不思議な魅力と、エネルギーに満ち溢れたところでした。海は碧く、緑は深く濃く、人は温かい。
そんな自然の中に日本の神様たちの気配が感じられる。
メインの目的だった熊野古道はがっつり歩こうと思うと果てしなく長く、場所によっては厳しい山越えとなるため、とても週末にちょこっとできるようなものではない。それもいつかやってみたいと行ってますます強く思ったけれど。

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ちいーさくいます。


今回歩いたのは全体に比べたら本当に短い距離で、それでも平安時代から数え切れないほどの多くの人が それぞれの想いを抱えながら歩いた道には まるでうっそうと茂っている森の葉のひとつひとつにいろいろな願いや想いがしっとりとしみこんでいるようで 古道を歩いていたその瞬間だけ、私の心が
時間という枠をはずれて 古き夢と一体になったようなそんな気がしました。人は少なくて、ほとんど私たちしかいなかったせいもあって、満ちてくるエネルギーを独り占めしているような時間でした。

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切り立った、生きているような不思議な岩岩に囲まれた渓谷。船でもいけます。


もうひとつ、2日目に行った瀞峡(どろきょう)も、手の加わってない自然が無造作に眼前に現れる感じでとても素敵だった。森に囲まれた中の渓谷は、日本じゃないみたいでした。行くまでが細い山道でちょっと大変ですが、これは一見の価値ありです。
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今回すごく印象的な体験だったのは、宿坊に泊まれたこと。
最初に調べていた時はあまりよく分かっていなかったのですが、泊まった青岸渡寺というお寺は、なんと熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社という「熊野三山」の三つの神社のうち、那智大社の思いっきり真横。那智の滝が目の前に見渡せる、というなんとも贅沢な場所だったのです。すごかった・・。宿坊の方も本当に良い方で、チェックインの時間に大幅に遅れた私たちを、口でぶつぶつ言いながらも車でわざわざ迎えに来てくださったり、次の日も参道入り口まで送ってくださったりして、嬉しい温かさに触れられた瞬間でした。ごはんもおいしかった。

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精進料理というから質素なものを想像してたら、ヘルシーだけれど豪華で量も多くてびっくりした。


次の日の5時から参加したおつとめでは、足のしびれと妄想によってお経を聞いていても全然「無」になれず、俗世間の煩悩にまみれまくった自分を再認識する時間となりましたが、朝焼けにけぶる熊野の山々の風景は言葉にならないほど美しく、その後に見に行った那智の滝も早朝なので人がいなくて、これまた贅沢な時間。こんなところで日々神のために暮らすというのはどのようなものか。「信仰」というものが少し、本当にほんの少しだけ分かった気がしました。温泉宿や、ホテルもよいけれど熊野に行かれる際には宿坊、おすすめです。

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那智大社へと続く参道を歩く謎の平安人です。


知っているつもりになっていた場所で
こんなに新しい空気を感じられるなんて
国内なんていつでも行ける、と思うのは本当に違うな。
行こうと思わなければ、人はどこにも行けない。
私は恥ずかしいほど日本を、自分の国を知らないな。
もっと知ろう。もっと旅に出よう。
今回は本当に良い旅でした。
旅の仲間たち、ありがとう。

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串本町、本州最南端の風景。


最後に。旅の最中にあれこれ、「なんだかおかしい」VOW的なツボなものを発見したのですが(工事現場に「今日は工事はありません。すみません」みたいな看板がおいてあったり。別に謝ることなくない?)

その中でも白浜駅前の売店のこれ。

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何!?明日なら出来るの?!
今日は出来ないの!?
明日になったら本当に出来てるの?!