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続けて芝居の話。
本日昼間はバタバタしておったのですが、夜はいそいそとミュージカル「キャバレー」(松尾スズキバージョン)の初演を観に行ってきました!うしし。歌も物語も大好きな舞台なので興奮しっぱなし。キャバレーは前回、本場がやってきた時に一度東京厚生年金会館かどこかで観ました。今回は青山劇場。
しかも、前から2列目!すごいです。阿部サダヲや森山未来の顔が、ほんの1M先にありました。手を伸ばせば届くくらいです。それだけ前に座ると、普段は見えないいろいろなディテールが見えて(舞台袖とか見えてしまったりもするけど)それもまたひとつの芝居の楽しみ方。
普段大人計画とかで松尾スズキの舞台を観るときはいい意味でとても不安(物語がどこでどう破綻していくのかとか。笑)なのですが、今回はキャバレーという骨子が最初から分かっているので、安心して楽しめました。本当に、思ってたよりちゃんとキャバレー!でした。原作がハッキリしている時ほどディテールの「あそび」のセンスが問われると思うのですが、そこは期待通り。松尾カラーをふんだんに盛り込みつつ、基本的にはあくまで原作に忠実。そういう意味で意外性はなかったけれど、その分歌も踊りも全力で迫力満点。本当に純粋に楽しかった~。舞台観てこんな笑ったの久しぶりです。
松雪泰子の細さには仰天!本当に細い!
阿部サダヲMCはこれ以上ないくらいぴったり。

しかし。
今回特筆すべきはそのことではない。
これは、この初演を、しかも本当に前の方で観ていた人しか共有できない感想であると思われます。
それは舞台も始まってまだ間もない頃、クリフ(森山未来)と、サリー(松雪泰子)が出会い、恋に落ちるシーン。部屋におしかけてきた強引なサリーに、迷惑そうにしながらも惹かれ、愛の歌を歌うクリフ。

森山未来は歌がうまい。
そして当然のことながらダンスもうまい。
本来ならばうっとりしてしまうシーンのはずだったの、だが。
しかし!!!
クリフ、君スーツのチャック全開だよ!!!!
どんだけ決めても、コントにしか見えないよ・・・
本人全く気づいてません。
一緒に踊っている松雪泰子は気づいただろうけど、でも踊ってるから
どうにも出来なかったんだろうなあ・・・・。よく笑わなかったなああ。
しかもこのシーン、結構長く続いたのです・・・。
後ろの方の人は見えなかったと思うのですが、私は2列目、つまり舞台を下から見上げるような形で見ていたので、気になって気になって。
特に彼が真面目に愛を語って踊れば踊るほど、おかしくて仕方がなかった。申し訳ないけど。ふと横を見ると、前列の人たちが一斉に笑いを我慢している顔をしているではありませんか。あのときほど、「ああ、今私たちは同じ気持ちを共有している!」という強い連帯感を感じたことはありません。

とにかくインパクト強すぎて、芝居全体の感想が彼の「チャック事件」に持っていかれてしまいました。多分これからどれだけドラマとかで二枚目の役をやったとしても、きっと思い出して笑ってしまう気がします。

次のシーンでは、当然普通に戻っていました。
でも舞台袖に引っ込んでそのことに気づいた時の彼の動揺を思うとこれまたほほえましい。

森山未来、前から好きだったけど、ますます好きになっちゃったよ。
私は君を心から応援するよ。


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