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「クマだけで認識される人」
最近観たもののレビューを少し。完全に書くタイミング逃して、忘れそうです。
①L change the world
実は一般公開される直前に、チケットを入手したのでジャパンプレミアで観てきました。当然舞台挨拶などもあり、キャストたちを目の当たりにしました。映画は、デスノートの映画が好き、「松山ケンイチが演るL」が好き、という人は楽しいと思います。ああ、もう目もあてられない、というほどのサービスっぷり。アクションやセットのスケールは大きかったけど、スケールが大きければ良いというものではない。私は最後までなんだか物足りず。なんでだろうと考えて出した結論としては、やっぱりデスノートの面白さは「天才VS天才」の頭脳ゲーム、善悪の境界の曖昧さ、いろいろな二項対立の中にあるのであって、別に私は世界的名探偵が刑事コロンボ的に一方的に大活躍して難事件を解決する物語が観たいわけではないのだ。原作の流れがある上で、残り23日間しか生きないキャラクターを主人公にスピンオフ作品を作る限界は分かるけれど、無理矢理感がありました。
ところで、松山ケンイチが、J・デップがレッドカーペットを歩きながらファンにサインしているのを見て格好良かったので自分もやろうと思った、と言ってサインしながら観客席を歩いていましたが、「席から立たないで下さい」の司会の注意むなしくむらがる人の波にのまれて大変そうでした。そして彼がインタビュー中ずっと、「スウィーニー・トッド」を「スウィーニー・ドット」と間違えているのがすごく気になった。

②スウィーニートッド
その流れで。ティム・バートン&J・デップコンビが大好きな私としては、いくら怖そうでも観ずにはいられない映画。実際、すごかったです。
絵が上手な漫画家さんの描くホラー漫画は本当に怖い。それと同じように、センスとそれを表現する力がある監督が作るこういう映画は背筋が凍るほど恐ろしいものです。ただ怖くて気持ち悪いだけじゃないんです。そこに、美しさや、せつなさや、悲しさが同居している。
ああ、でも気持ち悪かった。歌を聴きながら目をつぶっていた場面が多数。視覚的、感覚的な恐怖中枢のガラスみたいな表面を、フォークでギイギギギギィーッとやるような、ものすごく美しいものが腐っている、みたいな、なんとも言いようがない恐ろしさです。「直接的に描く」恐ろしさではない。ちょっとした言葉やディテールに、じわりじわりと毒が宿っています。でもとてもよかった。見終わった後のご飯時に私は肉が食べられず、野菜などを食べていたのですが一緒に観た友達はイベリコ豚なんてものを頼んでいて、単純すぎて繊細ぶってる自分がいやになりました。ちょっと時間がたてば牛のタタキ丼とか食べてるんだから(本日の話)どうしようもない。すごくオススメですが、出来ればその恐怖を存分に分かち合える人と観るのが良いと思います。


③アジア現代演劇プロジェクト『ブレイク-ィング』『オン/オフ』

異なる民族、文化、言語が共存/交錯するインドネシアとマレーシアの社会。
同じ国に生きる〈他者〉との「コラボレーション」を試みた、2作品。

最後は、舞台作品です。地元、シアタートラムにて。
これは、新しかったです!!非常に、面白かった。goodというよりまさにinteresting。アジア現代演劇プロジェクト、といわれて最初は想像もつかなかったのですが、とても刺激を受けました。日本では出来ない、日本人にはない感覚が伝わってきた。例えば、多民族国家マレーシアの言語をテーマに「母語と国語」をテーマにしたものだったり、例えば、主人公がアルカイダに所属していたりする。よく考えたら、私はミュージカル以外は日本人ではない人たちがやっている所謂演劇、というものをほとんど観たことがなかった。宗教や言語は、それ自体をテーマに語ることはもちろん出来るけれど、その骨にリアルな肉がついているかどうかはやっぱりそれを語る人の立っている土壌に大きく左右されるだろう。観てよかった。これまでもいろいろ観てきたけれど、舞台というものの可能性を、更に感じることが出来ました。

いっぱい書いてしまった。
また、今週末には劇団印象の「空白」公演があり、Dazzleの公演「モウイイヨ」を観にゆき、「母べえ」もチケットをもらったので行くし、同じ週末にはホルン吹きの妹に誘われて東京都交響楽団の「すぎやまこういちドラゴンクエストコンサート」に行くし、そのすぐ後には私が人生で一番衝撃を受けた芝居「エレファントバニッシュ」のサイモン・マクバーニーの次回作「春琴」にいくことになっている。あ、3月に入ったら「ライラの冒険」だ。映画&舞台づいてます!行きすぎ?なんか、そうしようと思っているわけでないのですがいろいろと波がやってくるのです。良い月だ!!

インプットがなければ、アウトプットはない。