この世に何十億人の人間がいても
自分という人間はたった1人なのだと
ふいに思って
そうしてスクランブル交差点を歩いている
無数の人たちもそれぞれが
たったひとつの存在なのだと思って
そのことに
「私」はどこまでいっても
いつまでたっても
「私以外のもの」にはなれないのだという
そんな当たり前で単純なことに
まず 踊りだしたいほど誇らしくなって
次に 足元が崩れそうに寂しくなって
そしてその窮屈な心地よさに
少し泣きたくなった
旅と猫とあんことスイカを愛する絵描き、デナリこと大野舞が日々をつづっています。