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この世に何十億人の人間がいても
自分という人間はたった1人なのだと
ふいに思って

そうしてスクランブル交差点を歩いている
無数の人たちもそれぞれが
たったひとつの存在なのだと思って

そのことに

「私」はどこまでいっても
いつまでたっても
「私以外のもの」にはなれないのだという
そんな当たり前で単純なことに

まず 踊りだしたいほど誇らしくなって
次に 足元が崩れそうに寂しくなって

そしてその窮屈な心地よさに
少し泣きたくなった