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あっという間に時間が経っていくなあ・・。
風景がぼんやりしてしまうほどだ。

個展が終わってから、大鍋の中身を出しつくして冷蔵庫(脳内)の材料も使い切り、何というかすっからかんになってしまったので次の仕事に向けてまた大鍋を沸騰させるべく、最近はいろいろなインプットに精を出す日々です。旅をしたり映画を見たり美術館に行ったり・・。そうするとまた、鍋の中にちょっとずつ液体がたまっていって、温度が上がり始めて、液体の中にいろんな形が像を結び始める。妙な例えですがそうとしかいえない感じ。

「南極料理人」は、見終わった瞬間にラーメンを食べに行ってしまいました。
一言で言うなら、そんな映画。(以下ネタバレも含みます)
元から食べ物が出てくる映画は大好きなのですが、これは素晴らしい映画でした。物語を通して、堺雅人シェフが作るものすごく美味しそうな料理ばかり(かもめ食堂などの飯島奈美さんがフードコーディネーターをされてます。やはりさすが・・)出てくるのですが、それを食べてる人が誰も、一度も、「美味しい」とか「旨い」って言わない。見てるこっちは「うわあ~美味しいんだろうな~」って思いながら見てるから、その違和感がずっとある。
ただただ、食べる。
がつがつ、食べる。
南極という極限環境にあって日にちの感覚もなくなる中で、みんなひたすら食べることでリズムを刻んでいる。もちろんとても美味しいのだと思うけど、ペンギンやウイルスすら生息できない過酷な「ドームふじ」生活では「食べること」はあまりにも切実な行為で、そこに美味しいとか美味しくないとか、そういう言葉が挟まる余裕がないのだと思う。
私はそれとちょっとだけ似た環境にいたことがあるので、分かる気がした。ピースボートにボランティア通訳として乗っていた時、曜日も日にちも関係ない、来る日も来る日も海の上、という閉鎖空間に3ヶ月以上も暮らしていると、食べることが「時間」になる。朝ごはんを食べる時が朝で、夜ごはんを食べる時が夜。それを繰り返す。大西洋でずっと海の上だったとき、101日間の間に一度だけ、「たこ焼き」がメニューに出たことがあって、その時の船の上のフィーバーぶりがものすごかった。2つあるレストランにいつもは人が分散されるのに、その時はたこ焼きが出る方に全員が殺到してしまい、しかも1人2-3個ずつ計算で用意されていたものが、バイキング形式だったから10個とか取ってしまう人が続出して、後半足りなくなって、イカフライになったのですが、そのことに対するクレームがすごかった。
大の大人がですよ。たこ焼きが食べられなかったことに関してですよ。

その時皆が切実に「たこ焼き」を必要としていたのです。

船の上の食事は美味しかったけれど、それでも航海も中盤に差し掛かった、船に缶詰の鬱屈状態で、私たちが必要としていたのは豪華なコース料理でもどこかの国の民族料理でもなくてただの、レンジでチンするたこ焼きだったのです。ふにゃふにゃとしたそのたこ焼きが、夢のように美味しくて、たかがたこ焼きなのですが、その時の皆にとって大袈裟に言えばそれが生きる理由になるほどだった。

「美味しい」ってなんだろう、って考えたその感じがとても印象的だったから、映画を見ているときにその時のことを思い出しました。

最後南極から東京に期間した堺雅人が、家族と一緒に遊園地にいって、ソースでデロデロのてりやきバーガーを一口食べて、「うまっ」と言うところが描かれる。味で言ったら、絶対に南極で食べたステーキの方が美味しいに違いない。でもそれは「旨い」という感情の発露にならない。美味しいのは、家族と遊園地で食べるジャンクフード。
食べることってなんだろうな。
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あと、伊勢海老のてんぷらのシズル感もものすごかった。。。こちらはなかなか作れそうにないですが、漫画みたいな大きさでよだれが出た。

長くなりすぎたのであとは羅列ですが、インプットなきところにアウトプットはない。メアリーブレア展、お勧めです。「サマーウォーズ」と「20世紀少年」と早く「ハリーポッターと謎のプリンス」も観なくては。「海のエジプト展」にも行かなくては。9月にいく野田さんの「ダイバー」とフラダンスの公演もとても楽しみだ。

<最近見た映画>
・ディアドクター(鶴瓶を心から師匠と呼びたくなった)
・エヴァンゲリオン新劇場版「破」(相変らずカッコイイです。しかし最後まで観ないことには・・)
・屋根裏のポムネンカ(チェコアニメの王道的駒撮りアニメ!癒されます)
・南極料理人

<最近行った展示>
・サウンドインスタレーション "without records"@VACANT(不思議空間でした)
・メアリーブレア展@東京都現代美術館(It's a small worldの人ですが、世界は大きいです!)
・メキシコ20世紀絵画展@世田谷美術館(フリーダ・カーロがたくさん観たかったのに1点しかなかったけれど・・)

あとはカフェと開拓したり、歩いてみたかった街を隅から隅まで歩いたり。

冷蔵庫にいっぱい食料を買い置きして詰め込む日々。