2004年09月25日 サーカスとの出会い 「たとえば、それがプラハ城の前でも、夢の中でも、あなたの机の引き出しの中でも」 「忘れられない限りはね」と、マジシャンが付け足しました。 リーは、こうしてサーカス団と出会いました。 へたっぴな彼らの芸を、道ゆく人は誰もみていません。 こんな変なサーカスを、見たいと思っている人がいるなんて、思えませんでした。 けれど、リーはとてもおもしろそうだと思ったので しばらく彼らについていこうと決めました。
2004年09月25日 ひそかに団長もいました 「どうも」 ぬっと現れたのはサーカスの団長。そこにいた事にいままで気づきませんでした。 リーは尋ねました。 「プラハで興行中なの?」 「わたしたちは”パンと人形”サーカス団。ひとりでも観客がいるところにはどこにでも現れます。」
2004年09月24日 続いてたまのり 看板には「BREAD&PUPPET」とあります。 後ろからたまのりもあらわれました。 ゆらゆら、ゆらゆら けれどなんだかブルブル震えているたまのり 「そんなに怖いんだったら、降りてくりゃいいのに」マジシャンは言いました。 それでもたまのりは決して降りてこようとしませんでした。 リーは、球の上にいるぶんだけ、もっと良い景色が見られるのじゃないかな、と思って うらやましい気持ちになりました。
2004年09月24日 マジシャン現る! 正門に立つ衛兵の前を通りかかったとき。 どこからともなく、アコーディオンの音が聴こえてくる。 陽気な、けれどどこか悲しくなるその音。 いつかどこかで聴いたような それでいてはじめて聴くような。 「バラバラになっても、ほら、もとどおり!」 道端で芸をしていたのは、ちょっとへんてこなサーカス団。
2004年09月23日 扉をあけて 進め 進め 振り返るな 振り返った後ろに未来はないのです まずは扉を開けましょう そして未来を紡ぎましょう 鍵はかかっていないから 引き続いての黄金小路 赤い壁に緑の扉 ねんがらねんじゅうクリスマス 地べたに座り込んで描きとめる
2004年09月23日 お城の黒塔より ほの暗い塔の底には 外の音が全く届かない ひんやりと冷たい カビくさい空気 外から差し込んでくる光はとてもまぶしくて この中から外を見てきた多くの人の 心と一体になったような気持ちになる 暗闇の中にいたならば 一筋の光が生きる理由になったりするんだろう 時間を忘れて、しばし過ごす。
2004年09月22日 虫になりました 壁には虫がいました。 肢のながーい、虫。 ワタシが写真ととったらわさわさと どこかへ行ってしまいました。 世の中、おかしな偶然で なりたっているものです。 もしくは これは カフカなのかもしれません。
2004年09月21日 フランツ・カフカの家 三兄弟と別れ、ふたたび一人旅。出会いと別れ、それが旅。どこかでまた会える。それを信じるしかないのです。 ここはプラハ城の中、武器屋や防具屋もあったりするおとぎ話に出てきそうな黄金小道。錬金術師たちが住みついていたことからこの名前がつきました。 そしてこの青い家、これが作家フランツ・カフカのかつての作業場。この中で寝たら次の日には虫になってしまっているかもしれない。 と、思ったら。
2004年09月21日 ランチタイム その国でしか食べられない本場の料理を食べるのは、楽しいものです。 三兄弟が連れていってくれたのは「ウ・カプラ」という名前のレストラン、 そこで兄弟は魚のクリームスープを ワタシは、ものすごく分厚いハムやダック、チェコ名物のザウアークラウト(キャベツの甘煮)やクネドリーキ(もっちりしたパンみたいなもの)を食べながら身体ひとつで転がっていくことは、どういうことか、という兄弟の旅の話を聞いたのでした。
2004年09月20日 三兄弟はプラハからやってきた 「里帰りしてたなんて、知らなかったわ。あなたたち、3日として同じところにいないんだもの。」 「これから、またブリュッセルのほうまで転がっていかなきゃならない」と、オー・ダマ。 「ごめんなさいね、でもせっかくだから、お昼はご一緒しない?」と、チュー・ダマ。 「もにゃもにゃ」