Denali's Room 一語一絵

旅と猫とあんことスイカを愛する絵描き、デナリこと大野舞が日々をつづっています。

2006年02月

img20060210.jpg現実から ちょっと逃避したくなる そんなときは
村上春樹を読むに限ります。彼の描く世界に入っていくと 都会の喧騒の中でも深い井戸の底に潜って 心地よい闇に浸ることができるからです。
そんなわけで4回目くらいに「スプートニクの恋人」を読みました。こうして繰り返し何度も読みたくなる物語はほんとに少ない。多分、もう内容云々じゃなくて、単にその「世界」に行きたいだけなんだと思います。ジブリの映画と同じ。でも何度読んでもその度に違う発見があって、今回も本当にじっくり楽しめた。

絵は、私がイメージする「ミュウ」です。半分になってしまった、失われた影。そして「あちら側」にいる、黒髪のもう半分。
村上春樹の作品の中で「あちら側」と「こちら側」は繰り返し出てくるテーマだけれど、「スプートニクの恋人」がたとえば「象の消滅」や「世界の終わり」と決定的に違うのは、最後にちゃんとその2つをつなぐ橋がかかって 失われたものが戻ってくるという「救い」があるということ。なので、珍しく、とても心温かな気持ちで本を閉じることができる。

最初に読んだときに違和感を感じたのはまさにその部分で、そのときはあまり良いと思えなかったのだけど、この話は読むたびに好きになれる気がする。
そうして、読むたびにギリシャに行ってみたくなるなあ。
しばらく村上作品を読み直す日々になりそうです。あんまり何冊も続けて読むと「あちら側」に行ってしまいそうになるのが困った点だけれど。

img20060209.jpg仕事で参加したとあるワークショップの一環で
はじめてヨガというものをちゃんとやりました。先生を呼んで1時間ほどですが、レクチャーしてもらったのです。周りにやっている人も多く、昔演劇の練習の一環としてのストレッチなどはよくやっていましたが、ちゃんとした「ヨガ」は初めて。
電気を消して、音楽をかけて、お香を炊いて・・単なる会議室が一種異様な空間になっていました。やってみてわかったのは、よく言われることかもしれませんが、見た感じと比べてものすごい運動だということです。「コブラのポーズ」から「英雄のポーズ」へ、そして「子犬」へ、とどんどん変わって、終わったときには体中がぽかぽかしていました。一緒に参加していた外人たちは、相当疲れたようです。
目を閉じて、全身に意識を向ける。末端の神経にまで集中する。ちゃんと呼吸する。ヨガとはつまり、自分の身体と意識との対話。
一番理解しているつもりで、実は全く分かっていないかもしれない自分の身体性としっかりと向き合うことで いろいろな事が見えてくるのだということが分かりました。たとえば、肩のあたりに大きなマイナスの塊があること。たとえば、足のさきっぽにまでちゃんと血を通わせられていなかったこと。
うん。すごく素敵な体験でした。その奥深い世界のほんの入り口のそのまた入り口をのぞいた程度ですが、もっとちゃんとやってみたいと思いました。
ヨガマット買おうかな。形から入るタイプだから。

060208_012730.jpg週末にとうとう新しいプリンターが届きました。
初めてのhpです。大きめですが、印刷スピードが早くインクも独立。これでパソコン、プリンター、スキャナーとすべて一新され、ついでに512Mのメモリースティックも購入して、私の作業環境は相当快適になりました。画面が大きいっていいなあ。幸せ。しかし目下のところ時間がなく、とりあえず繋いだだけで全くその快適さを享受するに至ってないのが口惜しい。

img20060206.jpg
私には「飛行機運」がない。断言してもいいです。旅好きなので相当乗ってるのですが、飛行機は大嫌いという困ったジレンマです。飛行機の料金より「いかに乗り換えずにすむか」でプランを組みます。

金曜も大阪行きの便が、滑走路まで到達した時点で「主力エンジンの故障」とやらで散々待たされた挙句、乗客全員下ろされました。混乱の中次の飛行機に乗ったものの、55分でつくはずだったのに5時間近くかかりました。
去年チェコとスイスに行ったときの最悪の事態も忘れられません。ジュネーブ→ロンドン→成田 だったのですが、ジュネーブでやっぱりエンジンの故障で飛行機を突然降ろされて、遅れたせいでロンドンでの次の飛行機に乗り継げなかったのです。航空会社が違ったためにスイス航空からも大韓航空からも責任放棄され、私は深夜のヒースローのベンチで一晩過ごすことになりました。しかも次の日は先輩の結婚式だったこともあり、真夜中の寒いベンチでかなり本気で泣きモードになっていました。(結局次の日の朝に半泣きでスイス航空にクレームつけたらチケットを手配してくれたのですが、帰りがロンドン→チューリッヒ→成田 となり、なんで丸一日かけて同じ国に戻ってきてるんだ、と呆然としました。そして結婚式には大遅刻しました。)
続きを読む

img20060203.jpg相変わらず忙しい日々が続き、そろそろ本気でエネルギーが切れつつあります。というより、意味や意義を見出せなくなりつつあります。よくない兆候。
自分の疲れや忙しさを過剰に周りにアピールする人はいやだなあと思っているのに、そういってる自分が気づくと愚痴をこぼしていて、かえって落ち込みます。でも、深夜タクシー帰宅→シャワー→寝る という生活が続くと、まともに思考が働かなくなっている気がするのです。特に私の場合、こうして絵を描く時間が家に帰ってからと週末しかないため、その時間が削られていくことが何よりのストレスになってしまいます。

いかん。この程度で弱音を吐いている場合ではない。
へこたれてたまるか。状況を楽しむことに徹しよう。どんな大変な時期も、それはそれで、その時しかない大切な時間なんだから。
続きを読む

ShowLetter.jpg
デナリとアラスカで過ごした半年間は本当に宝物みたいな時間でしたが
実際はその後日本で過ごした7年半の方がずっと長いのです。
デナリについて書き始めたらきりがなくて、(ここを読んでくださっている方なら既にお気づきかもしれませんが・・・)このまま、本が1冊くらいかけてしまいそうな勢いです。そんなわけにもいかないけれど。
デナリについて書きたいこと。デナリについて覚えておきたいこと。
決して忘れたりしないけど、それでも言葉にしておきたい7年半のあれこれを 書き綴ってみようと思います。

続きを読む

↑このページのトップヘ