Denali's Room 一語一絵

旅と猫とあんことスイカを愛する絵描き、デナリこと大野舞が日々をつづっています。

2011年08月

heart
 
8月31日。

今年の夏はなんだか奇妙だった。
いろいろなことがあったはずなのに、思い出そうとすると
指の間からつるりと逃げて輪郭が曖昧になる。

冬眠中のクマみたいになっていた夏だった。

私の本体は巻貝の奥の奥の方までひっこんで
貝殻レイヤーの向こうに透ける外をぼんやりと眺めているだけ。
輪郭は曖昧ににじんで不透明度70%くらい。
感度を下げて、新陳代謝を下げて、食べ物もあまり必要としない。

外はひたすらに暑いし、怖いこともあるし
いてもいなくても同じ、やってもやらなくても
何ひとつ変わらないように思えて、じっと、まるまっていた。
時間と感情の起伏は振り返ると全て凪いで
平板な白昼夢みたいな光の中を泳いできたように思う。

逃げていたわけではないけれど、
そうする必要がある時期だった。
どんな時期だって必要があるからやってくる。
と、やっぱり、やっぱり信じたい。

夏にはいつだって終わりしかない。
終わらない宿題を現実感なく見つめていたあの頃から、ずっと。
今年の夏だけが特別に思えるけれど、
夏って毎年そんなもんだ。

そろそろ起きなくちゃ。
次に目覚ましがなったらもうスヌーズボタンは押さないのだ。

写真 11-08-25 18 57 17

昨日は母方のおばあちゃんの80歳の誕生日だったので、みんなで鎌倉の松原庵でお祝い。
80歳は傘寿っていうんだね。この長寿のお祝いのネーミングってとってもセンスがあると思う。誰が考えるんだろうね、こういうのって。由来も面白い。

●古稀(こき) 数え年70才
唐の詩人・杜甫が詠んだ「人生七十古来稀なり」の句から。

●喜寿(きじゅ) 数え年77才
「喜」の草書体が七十七に見えることから。

●傘寿(さんじゅ) 数え年80才
「傘」の略字が八十に見えるとこから。

●米寿(べいじゅ) 数え年88才
「米」の字をばらばらにすると八十八と見えることから。

●卒寿(そつじゅ) 数え年90才
「卒」の略字「卆」が九十に見えることから。

●白寿(はくじゅ) 数え年99才
「百」の文字から「一」をとると「白」になることから。

という感じなんですが、
なんともおしゃれじゃありませんか。「百の文字から一を取ると」だなんて。続きを読む

戦場に輝くベガ

お仕事のお知らせ。先の8月15日終戦記念日に出版された「戦場に輝くベガ」(一兎舎)という児童書のカバーや挿絵を描かせて頂きました。これは以前関わらせていただいた山梨県立科学館のプロジェクト「星つむぎの歌」と同じように、プラネタリウム番組が本になるという企画でした。戦争の話、星座が敵軍攻撃のための目印として使われていた時代の話。
科学館にとってもとても大切な作品であること、お世話になっている高橋真理子さんからいつも伺っていたので、書籍化に際して声をかけて頂けたことがとてもうれしかったです。私は結局太平洋戦争は「おじいちゃんやおばあちゃんから聞いた」「映画で観た」という程度の知識しかない世代ですので、戦闘機とか当時の服装とか、資料とにらめっこの日々でしたが・・。そうだったんだあ、と想像するしか出来ない。でも想像することが大事であるようにも思う。
プラネタリウム番組としてだけではなくて、日本や戦争を知る上でもとても深い物語だなあと思うので、たくさんの子どもたちに読んでもらえたらいいなと思います。もちろん大人が読んでも面白いと思います。何しろ、当たり前だけど実際に起きたことだから。日常からほんの薄いヴェール一枚隔てた距離で。
満点の星空は誰にとっても、いつの時代もきっと同じだけれど、その時胸を満たすものはこんなにも変わる。星も宇宙も太古からただそこにあるだけ。それを見て星座を作るのも、戦争の道具にするのも、遠くに居る人を想うのも、人間の心の方。まだそんなに情報がないみたいなのですが、楽天booksで見つけました。asahi.comでも紹介記事発見。

nou
単純な脳、複雑な「私」
久々に本の感想。池谷裕二さんの「単純な脳、複雑な私」がものすごぉ~く面白かった。「脳を使って脳を研究する」のが脳科学。様々な実験や研究結果など、面白いことが多すぎて、かいつまんで紹介できるものではないのですが、はっとするような言葉がたくさんありました。
この特設サイトでは実験の一部の動画も見ることが出来て、とても面白いです。ニューロンが奏でる音楽、なんてものも聴けますよ!これ、ピンク色の斑点が消えるやつなんてほんと不思議。
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もうアラスカ里帰りから1ヶ月ほどたってしまいました。
あの肌がキリキリするような寒さが恋しい日々です。
ホエールウォッチングのことはその時の日記に書きましたが、私はどちらかというと肉眼で見るのに夢中で、自分で写真を撮るような余裕はありませんでした。でも同じツアーに参加してて仲良くなったアメリカ人のおじさんがものすごくイイカメラを持っていて、その時の写真を送ってきてくれました!Thank you Alan!

あらためてみてすごい光景なので、ここに紹介させて頂きます。
shachi

これはシャチ。

kujira

ザトウクジラの一団。潮吹き煙の多さからも、とても大きなグループであることが分かります。

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大人も子どもも。

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ジャンプ!!何故ザトウクジラがこのような大きなジャンプをするのかどうか、理由は解明されていないそうです。

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クジラの尾には人間に指紋があるように個別の模様があって、ひとつとして同じものはありません。だからそれを見ることで個体を識別できます。

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そしてバブルネットフィーディングの時に、一気に水面にあがります。おこぼれにあずかろうという鳥たちがクジラたちがいるところに集まるので、鳥の位置を見ることでどこから彼らが顔を出すのかが分かります。群れのリーダーの声はどんどん高くなり、そして・・。

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ざばーーーー!!!

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がばーーーー!!!

hyouga

水面が黒いものでいっぱいにざわついたあとは、すぐに静寂が戻ります。

ごく限られた時期しか見られない行動だから、たまたま行った時に見られたというのは奇跡に近い。
こうしている今も、このクジラの家族はあの雄大な海で泳いでいるのだ。
歌いながら、ダンスをしながら、地球そのものを家にして生きてるんだ。

クジラと話がしてみたいよ~。

星座

「ぼうけんのびんづめ」の連載をさせていただいているシティリビングさんの星占いページの星座イラストに、デナリ絵を採用していただきました♪ といっても新しく描いたものではなく、何年か前の新年の占い特集の時に12星座書き下ろしたものを、また再採用してもらったという形です。星座のイラストってありとあらゆるものがあるだけに、こういうのうれしいな~。と思ってサイトをひらいたらいきなりおひつじ座が最下位だった日はちょっとしょんぼりしました。笑
星占いサイトはこちらから。
星座一覧

フォスタープラン

国際NGOであるプラン・ジャパンの新しいプロジェクト、Because I am a Girl の小冊子の中に、イラストを描かせて頂きました。最初、私がもう8年くらいフォスタープランで関わっているので、それで依頼してくださったのかと思ったら全く関係なくただの偶然だったのでびっくり。私もこんな風に別の形で関われて嬉しいです。
あらためてこの冊子を読んでいて思うのは、夫婦に子どもが生まれるとき「男の子でも女の子でも無事に産まれてきてくれるならどっちでもいい」というようなことが言える日本は、やっぱり幸せなんだなあ、と思いました。先進国において仕事や専門領域によっていくらまだまだ男女格差があるといっても、それは「女であるというだけで、5歳まで生きられる確率が男より低い」という次元とは決定的に違うように思います。
女は稼ぎ手にならない、嫁ぐときに持参金が必要、家計の負担になるだけ、という理由などで、男が病院に連れていってもらうような時も連れて行ってもらえなかったりする。スタート地点がそこだから、大人になってからも可能性は男に比べてあらゆる面で閉ざされてる。教育の欠如、病気、売春、暴力、早すぎる妊娠、無償の重労働、政治参画の欠如などあげればきりがないのです。女であるというだけで、命が危険にさらされる子が21世紀の今も大勢。みんな、女から生まれてきたのに!と同じ女としては憤る数字ばっかりです。

この冊子はプランがそういう世界の女の子たちのために何をしているか、ということを紹介しているものなのですが、是非読んでみていただければと思います。上記サイトからPDFがダウンロードできるので。頑張れ女の子たち!世界の女子力を結集して元気ダマしたい!
ちなみに私が支援しているケニアのフォスターチャイルドのピーターも最初は9歳だったのに、もう立派な青年に。感慨深い!産んでないのに母な気分です。(というより親戚のおばさんか?)お医者さんになる夢、かなえてほしいです。

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