Denali's Room 一語一絵

旅と猫とあんことスイカを愛する絵描き、デナリこと大野舞が日々をつづっています。

2022年05月

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58日め。
先日の、5月25日は長女ピノの9歳の誕生日でした!
4月の封鎖中から彼女は「わたしのおたんじょうび会はできるかな?」と心配していた。その時は「心配ないよ、その時期はさすがに大丈夫!」と豪語してきたが、まさかのまさかであった。
7歳の誕生日は、日本が一斉休校になってステイホームが厳しかった頃なので、大々的に何もできなかった。8歳の誕生日は、上海に来たばかりで慣れるのに精一杯で、やっぱり大々的にはできなかった。なので彼女的にはずっと、今年こそ、だったのである。だから私もあ、こりゃ今年も無理かも、と思ってからずっとハラハラしていた。
それでも4月〜5月初旬に比べたら、多少外に出られるようになっていたり、物流も回復してきつつあるので、ケーキは近所に住んでいるお友達にオーダー(芸術すぎる!)。キツネが好きでキツネの絵ばっかり描いているので、ケーキもキツネで。そして先日いけたカルフールでこっそりゲットしておいたかわいい文房具、あとは家にある生地を使って、トリのクッションを作りました。
今できることは何でもしようと思ったけれど、どれだけ準備しても、マンション内に陽性者が一人でも出てしまったら、即、封控区に逆戻り、また部屋から一歩もだしてもらえなくなるので、それで中止になったら不憫すぎるし、それが一番怖かった。
けれど結果的には、無事に開催できました!

違うマンションの仲良しとはまだ会えない状況なのですが、ビデオメッセージをもらったり、電話で話したり、とても喜んでいた。同じマンションの仲良しに集まってもらってささやかな会を開催。みんなに歌も歌ってもらってケーキを食べて、おかしや手作りのカードをもらって、照れながらも本人的には憧れのイメージしていた「おたんじょうびかい」だったんだと思う。照れすぎて逆に無言になっていたけれど嬉しそうでよかった。
元気で大胆に見えて繊細。ドッジボールが好きなところからして、小さい時の私と真逆。最近は言い返す語彙が増えて私との(本気の)口喧嘩も多いけれど、
実は家の中で一番のしっかり者と噂のピノ、お誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとう。
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しっかりと私のDNAを受け継ぎ、オタク教育を受けているので、今の夢は漫画家。誕生日に欲しいものは、りぼんで連載中の某少女漫画のコミック本と、トレース台。(まだ届かなくてあげられていない)
そして、先日彼女が初めて描いた短い少女漫画があって、それがとても良く描けていたのでここで紹介したいと思ったけれど、恥ずかしいと言われたので、自重します。
ちなみに私が小3の時に友達と描いていた漫画「肉まん物語」。コンビニで売れ残った肉まんが、バイトのかっこいいお兄さんタツヤに恋をしてしまうという物語、彼女は売れ残っていることに満足していたのですが、ついに廃棄寸前でどうでもいい大学生に買われてしまい、食べられそうになったところをその手からするりと逃げ出して、再びタツヤに会うために女を磨く、という話だったのですが、もし、その黒歴史漫画を母ゆりこが当時勝手にネットに載せていたら!それを多感な思春期に見つけたら!と想像すると、とても今、載せることはできない。笑 
なんたってもう9歳なんだからね。
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51日目。
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2月に仕込んだお味噌、まだ三ヶ月だけど蓋をあけてみたら既にすごく味噌で、いい香り!!嬉しい。カビも全然なし、塩の殺菌力ってすごい。楽しみだな〜。美味しいお味噌汁が飲めるのは、もう少しあとかな。
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マンション一棟に(70世帯くらい?)たった2枚の激レア「スーパー1人だけいける券」を夫が当ててくれたため、そのためだけに街角PCRスタンドに検査(穴から手が出てくるところでつい笑ってしまう)を受けにいき、本日ついに二ヶ月ぶりに普通のスーパーにいった!厳重に時間も決められているので、使命感に燃えすぎて、何故か特に必要もなかったはずのタオルなど買ってしまった…。普通の買い物が久しぶりすぎて、気づけばカートがいっぱいになり、大きなリュックと、ガラガラひっぱって行ったのに結局それでも足りなくなり、袋も購入し、更に道で何度も荷物がカートから落ちて、その度に道ゆく人に助けてもらうに至った🌞どんだけ!
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うちの付近では徐々にマンションの外に出られる人が増えている。普通の店はまだ一切開いてないので、みんな散歩するだけなんだけれど通りに子供たちの笑い声があふれてて、ここしばらくで一番賑やかだった。しかし何千か所もの細かい区画に分けられて管理されているので、ここだけが賑やかになることは狭い世界での話で、全くロックダウンの終わりではない。まだ家から一歩も出られないエリアがたくさんある。ずっと無人だった上海市のどの通りにも、こんな風にどんどん賑やかさが戻ってくるように、ただ願う。こっちが「当たり前」なのだから。

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48日め。

「小区の外に出てもいい」という通行証が一世帯1枚配られる。

でも1世帯1人まで。子供も連れていくのダメ。時間も決まってる。動ける範囲も決められている。PCR検査を受けて48時間以内、許可証をもらって、やっと一人スーパーに行ける、そんなものを解封とは呼ばないよ…。

徐々に動き出している気配はあるものの、「ロックダウン前の状態」に戻るには道のりは長そう。市民全員毎朝毎晩PCRを受け続けないと通勤も通学も何もできない都市になってしまうのか…。これから手にする自由は、今までの自由とはもう違う。それはみんなトラウマレベルで理解したのではないかと感じる。今後解封されて手にする自由は結局「いつ奪われるかわからない」自由でしかなく、以前のような呑気な日常は送れない。それが悲しい。

最近の夜の癒し。今まで流行っていると聞いても「焚き火動画」を見たことがなかった。え、だって動画でしょ、と思っていた。それが見てみると!ただただ焚き火の映像を見て、火が爆ぜるパチパチいう音を聴いているだけでソロキャンプしている気持ちになり心が穏やかになる〜!夜にひとりベランダで焚き火動画を見ながら、キャンドルも置いて、火を見つめながら本を読みながらぼーっとしてたらよく眠れました。ハマりそうです。

3、4月は長い春休みでキャンプにたくさん行きたかったんだけれど。はやくまた本物の焚き火もしたい。

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45日め。
このレベルの大都市で、このレベルの封鎖を、そんなに長く続けられるはずはない、と誰もが思っていた4月頭からもう45日め。
もう、何も思わない。
いちいち一喜一憂しない。

建前ばっかりの公式発表も、真偽の分からない転送情報も、全部「ふーん」と受け流して、期待をしない、というのが結局一番心が穏やか。
区分上「自由に出歩ける」防範区に分類されている我が家も、実際は外に出ることが許されていない。発表上だけの数字のマジック。前提からして嘘やん…なのです。

日本で流れているニュースはあまり知らないのだけれど、私のいるところでは、根本的にはあまり何も変わっていないし、この1週間は野菜が全く手に入らずヤキモキし、明日から小ネギのみで暮らしていかなくてはならなかったところ、今日4分間だけ開いたネットスーパーで高橋名人並みの連打をして、やっとトマトとナスとえのきが買えて狂喜、みたいな状態です。笑

解放される時が解放される時。
1月に出した「スピリチュアルかあさん4」でこんな場面があったのだけれど、まさにこの言葉を自分の漫画ながら反芻しております。

娘6歳が「冬まで上海がふうさされていたらどうしよう…サンタさんが入ってこられない…」と本気で心配している。
大丈夫!冬はさすがにない。
(ないだろう、さすがに!)

週末は仲良したちとこっそりちょっとだけ乾杯したり、炭火で餅を焼いたり、オンラインで3箇所をつないでカラオケ大会をして懐メロを歌ったり、とても楽しかった。
今仮に、日本にいたとしたら、もしくは別の場所にいたら、一切何の悩みもないのかと言えば、そんなことはない。どこにいたって、どんな風に暮らしていたって、何かしらの何かは常にあり、何が起きるかわからない不安は一緒だ。

だからあまり先は見ないで、ちょっと先の楽しいことをいっぱい考えることにする。

そして今後の人生において、今知っている人も、これから出会う人も含めて今の上海で、このロックダウンを同時期に体験した人とは一生お酒を酌み交わす度にこの話で盛り上がれること間違いなし。
おいしいネタを日々蓄えていると思うことにする。

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38日目。

5月に入ってからどうにも今までより落ち込み気味で、夜更かし&不眠のコンボで、全く寝られない。気づくと朝!眠れてもうっすら起きている感じで浅く、起きている間もボーッとしてしまう。その次の日の夜もまた眠れない。うるさい鳥の声に耳を塞いで明けていく夜を見る。

心のどこかに5月になったら何か変わるのではないかという期待があって、それでも何も変わらず、時間が奪われ続けていることへの焦燥感が大きいのかな。

学校に行けない子供達。新1年生の次女は当然入学式もないまま、いきなりオンライン。一番外で遊ぶのが楽しい、暑くもなく寒くもないいい時期の上海で部屋に閉じこもり、毎日あるものを必死にやりくりしてごはんのことを考える日々に
ここへきて、疲れが押し寄せてる感はある。きっとみんな同じ気持ち。

あとちょっと、あとちょっと、と思って走れるのはゴールが見えているから。当初の発表では封鎖は4月5日までだったのだ。ゴールテープがマリオのステージみたいに、どんどこ先へ移動してるマラソンは、なかなか辛いものがあるな〜。

毎回こんな話ばかりで、読んでくださっている人ももう飽きてると思うんですが😂こうして思ったことを吐き出せる場所があることが本当に救いです。

けれどどんなハードモードのステージでも、気弱な低空飛行ステータスでも、秘密のアイテムは隠されていて、ブロックの中のキラキラしたエナジーブースターを取ればまたヒュン!と上を目指せるパワーゲージが増えるのが人生。

抜けるような青空、小さな幸せ、誰かの優しさ、大笑いできるコント、面白い映画、子供の笑顔、美味しいもの、人と人が暮らしていれば生まれるウエーブ。
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何に使っていいかわからなかったタイの糯米粉、思い立って白玉にして、冷やしてあずきと食べたら、トゥルンとして最高に美味しかった。
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元気がなくなってきて、もうダメかな、このまま枯れちゃうのかな、と思っていたモンステラの葉っぱに、かわいい新芽が出ていた。
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2ヶ月前に日本を出発した小包が、突然玄関に届いた。読みたかったばななさんの新刊とダイアリー、2ヶ月も旅をして封鎖をかいくぐって手元にやってきた。もったいなくて読めない…!子供達には最新のドラえもん。

それらを詰めて面倒なEMSを頑張っておくってくれた両親の気持ち。物流が壊滅的だというのに、本当にどうやってここまできたんだろう。
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母の日には子供たちが絵を描いてくれた。
今、デリバリーで何かを頼むのはなかなか大変なのに、花束までもらってしまって、びっくりした。
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タイミングという魔法。

秘密のアイテムをたくさん見つけて、HPMP充電。元気の源たちに、感謝です。目をギュッと閉じていたら見逃してしまうかもしれないから、下を向くときがあってもいいから、とにかく目をちゃんと開けて歩いていこう。ゴールまで長くとも、横にいる仲間達と手を繋いで。

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34日目。

管控区というものになり、マンションの庭に出られるようになる。外には出られないけれど、だいぶ気分は違う!空の下で縄跳びしているだけでも嬉しい。仮にマンションの外に出られたところで、店は何一つ開いていないから、普通とは言い難い。生活は本当に小さく、世界はこのマンションの中だけになってしまった。

ただ普通に、当たり前に、外を散歩し、友達と会い、仕事をし、子供たちは学校に通え、スーパーで食材を買ってごはんを作ったり、たまに外食したりする、それだけのことなのにな。誰もがそれしか望んでいないのに。

暮らしがこんなにも縮こまってしまって、あの賑やかだった上海は本当に戻ってくるのかな?公園が子供達で溢れ、みんながワイワイ遊んでいる風景はまた見られるのかな?考え始めると気弱になってしまうけれど、少しずつ物事は前進し、開かれていくと信じて。

夜中に集中して紙に向かう時間はいつでも心をリセットしてくれる大事な時間。すべきことがある事が、それに集中する時間が、心を解き放ち、エネルギーを湧かせてくれる。

あとは韓流の名作トッケビを一日一話観て、イ・ドンウクさんに心を支えてもらう…なんであんなにピュアな涙を流せるの!かっこよすぎ!(ミーハーです)どんな時でも物語は人を救う。どこにいてもなんでも観られる風の時代で本当に良かった。

しかし日が昇るまで起きてるので、生活リズムは根本から無茶苦茶である。

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Denali's Calendar 2022 "Cat Jam Session" (ネコジャムセッション)も、5月になりました!2022年も3分の1、終わりですって!信じられない〜。家から出られない間に、どんどん季節が過ぎていってしまう…。

今まで一緒に暮らしてきた全ての猫たちの顔を、鳴き方を、その癖を、仕草を、思い出せる。毛の抜け方、寝顔。そして今でも温かさをもらう。家族として暮らしていた幸せな時間を思い出す。

ワスレナグサは私の心の故郷、アラスカの州花です。控えめで可愛らしく、それでいて力強さを感じさせる、大好きな花。今の季節も咲き誇っているかな。厳しく、荒々しい極北の自然を内包するあのアラスカの州花が、このともすれば見過ごしてしまいそうな小さく可憐な花であると知った時はなんだか嬉しかった。

「ワスレナグサの記憶」
Forget me not.

5月のデナリカレンダーも楽しんでいただけますように。まだお申し込みいただけます!
https://maidenali.thebase.in/

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みて、この3月末から今日までに受けた、検査の数を…!ロックダウン検定があったら受かってる😂
4月は過ぎ去った。
終わりを信じ、5月に望みを託す。
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みんなで窓から空をぼんやり見上げながら、「ひょうたん」「竜」「ゾウさん」と、何に見えるか想像するという、古代より伝わる遊びに興じる。

このままの状態が続くと、新しい星座を生み出してしまいそう。

もしくは

「見張られたセカイ
 俺達は籠の中の囚人————」

的な中2病ポエムを生み出してしまいそう!(最後の囚人は「トリ」と読みます。)

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