subaru
映画館で観たくて観にいきました、ノルウェイの森。私は一度高校生の時に原作を読み、最近映画を観る前にもう一度じっくり読み直した。同じ作品でも読む年齢が違うと全く印象が違うから面白い。作品は変わってないんだから、自分が変わってるんだ。植わった種は同じでも、年月を経る中で作品を自分の中でどう育てて印象として定着させたか、というのは人によって千差万別。はじめての作品を観る感じとは全然違う。

あまりに有名で全世界にファンの多い作品だから、賛否両論当然だろうし、映画と小説は最初から全く違うものだから、もう本当観る人の好みによる。だから好きに観てみんな好きな事言って、そのことを楽しめばいいと思った。感想を言い合ったりしてるうちに、自分がその作品のどこが好きだったのか、とか、作品のどういうところを大事にして欲しかったのか、とか昔はこう思ったけど今はこう思うとか、そんないろいろが確認できて、映画よりもそっちが楽しかった。

なので私は単純に作品のファンとして、自分の好みにしたがって感想を箇条書きにする。（以下ネタばれ）
好きだったところ。

・映像はとても美しい。特に陰影のコントラストが好き
・全体を覆っている無国籍な空気に吸い込まれそう
・季節感がある。時間の移り変わり。
・音楽ももちろん良い。無音なのに音が聞こえる気がする。
・６０年代の当時の感じが緻密に再現されている。（再現されすぎて逆に演劇みたいに見えるけれども・・）

好きじゃなかったところ。

・ワタナベ君は貧乏学生なのに全てのシーンで違う服を着こなしている
・直子が二十歳には見えない、でも演技はすごかった。
・ミドリの棒読み
・レイコが美しすぎる。（原作で大事なしわがない）
・療養所が別荘みたいに豪華
・レイコとミドリの人生背景が描かれてないので、行動が脈絡なく思える。
・キズキが準備して自殺をするシーンはなくていいのでは
・永沢先輩があれでは本当にただひどい男になってしまっている。
・突撃隊のエピソードがもっと見たかった
・直子が１００円を払ってレイコに「ノルウェイの森」を弾いてもらうというシーンはあって欲しかった。
・ミドリの入院中のお父さんにワタナベ君がキュウリを食べさせるシーンはあって欲しかった。
・ミドリとワタナベ君が近所の火事を一緒に眺めるシーンを雨のシーンに変更しないで欲しかった

そんな感じ。
不満だった点が多いぞ！笑

そんな事言ってもね、的な事が含まれていてもいいのです。ファンとはワガママなものなのだ！光と闇のコントラストが本当に美しい映画だったけれど、やっぱり日本語の演技指導が出来る日本人の監督が良かったのではないかと私は思う。そして２時間におさめようと思ったらエピソードを削って駆け足にならざるを得ないのは分かるけど、そんなら映画も原作と同じく上下巻、パート１とパート２に分ければよかったのにと思う。ＧＡＮＴＺやハリポタが二部作になるくらいだったら、ノルウェイの森を二部作にする予算くらい誰かが出すだろうに・・。
と思いました。ただの私見です。でも普通映画観てこんなに感想出てこないからやっぱり私はノルウェイの森が好きなのです。観てよかった。面白かった。