s-かすかファッション

これが私が5日間過ごしたピースボートがベースキャンプにしている「カスカファッション」ビルです。あとは専修大学などもキャンプ地になっています。元は洋服の工場だったところで、ここも津波で1階部分が土砂で埋まっていたところ、片付けてこうして拠点にできるまでになりました。男部屋と女部屋がビニールシートで仕切られていて、みんな床に寝袋をしいて寝ます。

・夜はいびき的にかなりすごいことになるので【耳栓】必須だと思いました。
・床が冷たいので、寝袋の下に敷くマットも必要です。

基本的にずっと6人1チームで動きます。友達と行けば同じチームになれるし、1人で参加してもランダムにチームが組まれて、一緒に作業するので仲良くなります。参加している人は本当に様々。年齢、国籍、性別、経歴、一切関係ありません。みんなただの労働力。ピースボートが指揮する形で、他の団体や企業さんの人も同じキャンプにいるので、もう本当にいろいろです。IBMのアメフトチームの方たちのマッチョさがすごくて頼もしかったです!

私が一番たまげたのは、最終日ずっと一緒に泥掃除の作業をしていたインターナショナルチームの陽気なアメリカ人が、後で聞いたらブルーマンだったことです・・。分かるわけない!道理で細いのにものすごく筋肉質で力持ちだと思ったよ!公演に招待されたので今度行こうと思います。
s-食事

ごはんはこんな感じで、チームで食べます。食料は全て持参、ゴミは全て持って帰ります。これから暑くなる季節なので、食料には気をつけなくてはですね。

・チームで分担して、ガスコンロかキャンプ用コンロと鍋があると、温かいものが食べられます。カレーをあっためたり、スープを作ったり。親子丼やショートパスタを持ってきてる人もいました。
・ウィダーインゼリーやカロリーメイトは簡単だけど、重労働しているとやっぱりちゃんと食べたくなるのでごはんが欲しくなりました。サトウのごはんみたいな。あとは食パンをチームで誰か1人持っていくと、朝ごはんなどが充実します。
・私はコーヒーホリックなので、ゴミ出るの承知でドリップ式モンカフェを持っていきました。あとはティーバッグやインスタント味噌汁。
・魚肉ソーセージはおやつにちょうどよかったです。人生で一番食べました。
・日持ちする佃煮とかお漬物とか持っていってもいいと思います。
・おやつはやっぱり疲れが取れます。ハチミツキャンディ、カリカリ梅など。
・水にとかすタイプのクエン酸、ポカリスエットは重宝しました。作業中飲みました。

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作業に関して。これが基本の作業ルックです。防水ヤッケの上下。そしてヘルメット、防塵マスク、防塵ゴーグル。ゴーグルとヘルメット、耐油性手袋は借りられます。何しろクギがむき出しになってたり粉塵が舞ってたり有害物質が含まれているものに触ったりするので、Tシャツに短パンというわけにはいかないのです。とにかく全身ぐるぐる巻きサウナ状態。足は鉄芯の入った安全長靴です。

・あまりに汗かくので手ぬぐい必須です・・。
・ウェットティッシュもあると便利です。
・汗でゴーグルがすごく曇るので曇り止めあるといいと思いました。
・休憩中にはさっと脱げる感じの服だと楽です。

毎朝、チームごとに作業が割り振られます。「今日は9班は側溝掃除です」とか、「何丁目の○○さんのおうちで泥撤去作業です」とか。その日になるまでどこに何をしにいくのか分かりません。長期滞在できる人は炊き出し班になったりするのですが、基本的には短期滞在組は清掃作業です。

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側溝にたまっているヘドロ撤去作業。人生でかいだことないようなすごい臭いです。側溝が詰まっているとそこから異臭が出てしまうので、とにかくかきだして土嚢袋に詰めて、捨てます。

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あとは個人の家の掃除。こうして瓦礫に埋まった1階部分を片付けたり、

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床下に泥がたまっている場合にはこうして床を一度全部はがして、たまった泥をスコップで土嚢袋に詰めて、運びます。ヘドロが残っている状態で上を片付けても、臭いがするからです。

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1軒のおうちからこんな量の泥と瓦礫が。これでもまだ半分くらいかな・・・。

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ガレージにたまってしまっている場合もあるので、それもスコップで取り除きます。

・清掃作業は全部かなり腰に来るものなので、ひざをつかって腰を痛めないようにしないと後が怖いです。
・クギがたくさん出てたり、危ないものも落ちてたりするので気をつけないとです。
・背筋ばかり鍛えられるので、夜とか時間あるときにキャンプで腹筋をするようにすると、ちょっとバランスとれる気がしました。

これだけ見てると体力に自信がないから私駄目・・って思ってしまいそうですが、大丈夫です!このもやしっ子の私が大丈夫だったから!!最初はすんごい疲れますが、ペースに慣れてくるとなんてことなくなるし、臭いのも汚いのもあんまり気にならなくなります。休憩はリーダーの指示でこまめにとります。最初はこれを1日でやるなんて不可能だ!と思うのですが、力をあわせるとちゃんと終わります。

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個人宅での作業の場合、おうちの人がとても喜んでくれます。いろいろなものを失って、とても辛い状況にある人が「家が綺麗になるだけで生きようと思える」と言ってくれました。
ご自身もまだ避難所で生活しているのに、作業している私たちのために発泡スチロールの入れ物に氷を入れて、スイカを冷やしてくれたりしました。人生で一番美味しいスイカでした。
家の住人である70歳のおばあちゃんが、いいから休んでてって言ってるのに、「この3ヶ月毎日こんな作業してんだから、なんてことないわさ!」と言って一緒に泥だしを手伝ってくれた。

傷ついた街を見るたび、何にもなくなっても失われない人の優しさや絆に触れるたび、心にぐっと言葉では表現できないものが押し寄せました。