くじゃくの夢

今年はあの場所にいけなかったけれど、6月26日は原点に戻る日。背筋をしゃんと整えて、今と、これからを見つめなおす大切な季節。いつか再会した時に、ちゃんと目を見てまっすぐ伝えられる道を歩いているか?
毎年の同じ質問を自分に問いかける。
12年という時間は過去を過去にするのに充分な時間で、
疑う余地もなくあの頃の未来に私は立っていて、
それでもつい昨日のことのように思えるのは何故だろう。

時間は流れてたまっていく。本当にあっという間だ。
去年生まれた甥っ子はあっという間に1歳になった。
私も31年も生きた。両親もいつの間にかアラ還暦。
環境はどんどん動いていてついていくには心に紐をつけて
ちょっと先の未来から一生懸命ひっぱらなくてはいけない。

なんてことのない毎日の風景、家族や友達との何気ない会話、
大切な人たちの笑顔を見る度に嬉しいのになんだか泣けてくる、心の梅雨どき。

どうでもいいことで大爆笑した時間のことを
くだらない言い合いで後悔した時間のことを
とても懐かしくいとおしい気持ちで想う、未来のことを思い出すから。
形あるものの形は必ず失われるし、
大好きな人たちも、自分自身もいつか全員いなくなる。

最後に思い出すのはきっと、
特別な日のことじゃなくて、ふんわりとした今日のこと。

生きる哀しさは喪うこと、生きる歓びは喪いたくないものが増えていくこと。
だから今日を人生で一番大事な日みたいに、生きる。
目の前にある風景、人、ものを精一杯愛する。
濃く抽出した時間をちょっとずつ、魂の年輪に刻んでいく。
何があったかは忘れてしまっても、その濃度だけは忘れないように。

今日生きてた。今日にありがとう。
明日も生きてたい。明日にもきっとありがとう。

長い長い幸せな夢。