
吉祥寺のアブリルというお店で毛糸を買ってきて、もじゃもじゃピアスを作りました。編み物は鎖編みとか、あとマフラーとかは作れるけど、複雑なことはできないのでこのピアスも鎖編みのみでできる簡単な、セットになってるもの。毛糸で一見暑苦しいようだけれど、わりとシャワシャワした素材なので、夏でも大丈夫かも。かわいいお店だったなあ。フェルトは元から好きなので、毛糸の他にはターコイズブルーとからし色と淡いピンクの羊毛を買いました。特にこれを作ろう!と思ってなくても素材ってつい買っちゃう。
「素材」って大好き。布もそうだし、毛糸とか紙粘土とか、フェルトとか、あとはアクセサリーパーツとか。何も作らなくても見てるだけで楽しいし、そういうのが売っているお店にいくと何時間でもいられる。よくいくのはハンズ、ユザワヤ、オカダヤ、貴和製作所とか。合羽橋とかは鼻血でそうに興奮するから逆にいけない・・・。
料理を作らなくてもレシピ本を読むのが楽しいみたいに、素材って見てるだけでもう味がするというか、作っている過程を想像するのがわくわくするし、1本の毛糸から、1かたまりの粘土から、1粒のビーズから、一体何ができるだろう、どんな「姿の可能性」がこの中に詰まっているんだろう!と思うとわくわくする。種とおんなじだ。
種の力を引き出せるかどうかは、当然作り手にかかっているわけだけれど。アブリルに連れて行ってくれたトンクは編み物の達人なので、この色とりどりの毛糸の群れを目にしたときに、私よりも多くのものが見えるんだろうあと思って、一緒にその「姿」が見られたらいいのにと思う。
料理家の人が食材を見る目、職人さんが道具を見る目、作り手の人が材料を見る目。素材を見るとき、触るとき、愛がありながらも、そのときみんなすっとした厳しい目になる。
それを横で見るのも大好きだ。
そしてこの間仰天したこと。私には10年以上前アラスカで同居してて、今はニューメキシコのナバホの居住区でアーティストとして暮らしているリー、風みたいに颯爽と生きてて本当にかっこよくて、高校生の私がものすごく尊敬してあこがれたかなり年上の女性の友達がいます。リーは「作る楽しさ」を教えてくれた、わたしのクラフトの先生でもあります。アラスカ以来一度も会えていなくて、でもずっと手紙でつながっていて、私もカレンダーを毎年送っていて・・・という間柄。そんなリーが結婚のお祝いに、と送ってくれた、手作りの!カッティングボードが先日急に届いたことです。これがもう、本当にすごい!いろいろな素材の木が組み合わされて箱根の寄木細工みたいに美しい1枚の板になっていて、あけた瞬間のけぞりました・・・。リー、こんなすごいものの上で、生肉切ったりできないよ~!

Thank you Leigh, I'll tresure this forever!一生大事にしなくっちゃ。
留学中、ホームシックでつらかったとき、「そういうときは手を動かして綺麗なものを作るのよ!」とビーズを売っているお店に連れて行ってくれて、石やビーズを使って作るアクセサリーの作り方をたくさん教えてくれたリー。雪が深いとき、家の外に出られないときとか、あったかな家のリーの部屋で、お茶を飲んでケルティック音楽をかけながら、よくずーっと2人でクラフトしてました。17歳の時に作ったピアス、まだ大事に持ってます。

こんなの。
こんな美しいものが生み出せるなんて、会っていなくても、彼女が変わらずにそのままで輝いていることがずっしり伝わってくる。素材が、この木たちが、彼女に触られ形を作られたことを何より歓んでいるのがわかる。あの時間が一瞬でよみがえりました。
リーに会いたいな。ニューメキシコに遊びにいこうかな。