kakumaru

「星つむぎの歌」プロジェクトをきっかけに、ずっとお世話になっている詩人の覚和歌子さんと、演奏家の丸尾めぐみさんがパーティに来てくださって、生演奏でライブをプレゼントしてくださるという光栄な時間がありました。お2人ともお忙しいのに快く、丸尾さんは山梨から来てくださって、同じく山梨から県立科学館の真理子さんも飛んできてくれて、プロジェクトメンバー大集合。本当に感激でした。

「いつも何度でも」と「星つむぎの歌」という大好きな2曲を、大好きな覚丸コンビに目の前で歌ってもらえてそれはもう贅沢な至福の時間だったのですが。でもそれより何よりびっくりしたのは、覚さんが私のためにあたらしい詩を一篇、つくってくださったことでした。詩をひとつ、というのは事前に伺っていたのですが、それは、私は覚さんが既にある作品の中からひとつを選んで朗読してくれるのだと、完全に思い込んでいたのです。だからものすごくびっくりしました。

それはこんな詩でした。
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神さまの道具 

その絵は 

ひとのよろこびやかなしみをこえた

はるかな国からやってくる

もの静かな目の奥に

少年みたいな女の子を住まわせて

あなたは今日も

お箸を持つ手に絵筆を握る



屈託のないRをさかいめに

絶妙にとなり合う無農薬果汁の色彩 

あまたの過去生と

あらゆるこの世の心持ちを引き受けて 

超然と空中にこしかけ 森で粉を練る 

誰でもない(からこそ 誰にでもなれる)人物たち

あなたが繰り出す夢を心の器にして 

わたしたちは

自分をたましい丸ごとだきしめたくなる 

ぎゅっと あるいは ふんわりと



生まれる前に決めてきたことなのだと

あなたはもはや観念している

肩凝りと寝不足の運命にあらがわず

きんつばと大福を生涯の友に

神さまの道具として生きることを



すべてのモノ作りがそう願うように

きらめくアイディアを

よろこびやかなしみを

こえたところからよびよせて


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なんというか、
もうなんというか。

誰かが自分のために、「詩」を贈ってくれるということが人生で起きるなんて、これまで思ってみたこともなくて。それが、こんなにも嬉しくこんなにも特別な気持ちになれるものだなんて知りませんでした。それが覚さんからつむがれた言葉だと思うとますます幸せで、文節ひとつひとつを抱きしめたい気分です。

この詩の中の「あなた」は、なんだか透き通っていて、
実物より全然素晴らしい存在になっていて
恐縮してしまうというよりも、これは自分だと思うんじゃなくて、
私が「そうなりたい私」だと思わせてもらおうと思います。

でも、誰かの世界に、自分がこんな風に存在できているのかもって
思うだけで、泣きそうな気持ちになりました。
この詩にかかれた言葉に、私自身が追いついていけるように、
これからもずっと、絵を描いていこうと思います。

(そして、粉を練ろう)

覚さん丸尾さんありがとうございます。
父の俳句と一緒に、心に携えて。

たくさん宝物が増えました。