
かーちゃんの話。
かーちゃんは私が小学校3年生のときに、同じクラスに転校してきた女の子で、日本人なんだけれどハーフみたいな美人さんだった。かずこだからかーちゃん。同じ団地に住んでたから、すぐに仲良くなって、それぞれ妹がいて妹同士も同い年で。何をするにも一緒で、学校が終わったあといつも4人で遊んでいた。けれど結局2年もしないうちにかーちゃんはまた転校することになってしまって、それを聞いたとき道端で泣いたのを覚えてる。大人にとって電車で行ける距離であっても、小学生には転校というのは永遠の別れに等しい。
その後、何回か夏休みに新幹線に乗って会いにいったりもしたけれど、やっぱり会えるのは1年に1回あるかないかで、それもだんだんなくなっていった。最後に会ったのは大学生の同窓会の時だから、それももう10年以上前の話だ。
けれど年賀状のやりとりだけは、出会ったときからずっと続いている。かーちゃんは私よりも早く結婚して娘を1人産んでいて、赤ちゃんが生まれてからは毎年年賀状はその子の写真。私はもうかーちゃんがどんな顔をしているのか知らないけれど、娘さんの写真を毎年楽しみにしていた。
そして、かーちゃんの娘は今年小学校3年生になるのだが、今年のお正月に届いた年賀状を見てびっくり仰天!私たちが出会った年齢になった娘さん、かーちゃんにあんまりにもそっくり!びっくり通り越して遺伝子の所業にひれ伏したくなるくらい、そこにいたのは、かーちゃんそのものだった。
私の中でのかーちゃんの一番鮮やかな記憶は、小学校3年生で止まっている。一緒にキャンプにいったり、イモ掘りをしたり、お泊まり会したり。それから今まで、私だけがこんな風に年をとって30代になって、彼女だけはまだ年小学校3年生のままなんじゃないか、年をとらない妖精さんだったんじゃないか、そんなありえない妄想にとらわれるほど、似てた。
だからなんだっていう、ただそれだけの話なんだれど。
今年はかーちゃんとかーちゃんの娘に会えたらいいな、と思った。
会いにいける距離なんだから。
真っ黒に日焼けして空き地に秘密基地とかつくってた私たちが今2人とも子育てしてるなんてやっぱり不思議。年はちょっと離れちゃったけど娘同士がまた遊べるような日がきたらいいな。そして私にそっくりとよく言われて密かに夫を悲しませている(笑)ピノがこれからどんな風に大きくなっていくのかも、楽しみだ。気まぐれな遺伝子たちよろしく。