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今の自分とは全く違う人生を送っている
どこかに存在しているかもしれない自分について考えたことはありますか。
私は幼稚園の頃から絵描きになりたくて
それから今でもずっと絵描きを目指しているけれど
それとは全く別のベクトルでいくつかなりたいものがあって、それは、例えば人生をやり直せたらそっちを目指すか、とかそういう問題とは違って、例えばどこかにそんな人生を送っている自分が同時存在している可能性について考えるかどうかってこと。

ひとつは、海洋生物学者。海の生き物が本当に好きで、海が本当に好きで、ダイビングの免許も取ったし(全然もぐれていないけれど)海の生物をいろいろ研究したいと思う。アラスカでも海洋生物学の授業が一番好きだった。鯨を見に行ったり、アザラシを見に行ったり。水族館にいってまた思ったけど、人間の世界なんて、地球上のほんのちょっとの部分。

それから、考古学者。遺跡も大好きで、メキシコにいったのもアイルランドにいったのも遺跡が見たかったから。ずっと昔に、その場所を作ったひとたちの生活や、そこにこめられた願いを想像しながら古代の考えに触れるのは、きっと想像もつかないくらい楽しくて大変さだ。だってそんな仕事をしていたら、歴史の中の自分のちっぽけさばかり考えてしまいそうだから。

あとは、天文学者か哲学者。つまり私は絵描きじゃなかったら、研究者になりたかったのです。限りある人生を、今自分が生きているこの世界を知るために使えたらいい。だってものすごい偶然の確率で、今自分はこの環境に身をおいているわけだから、その世界のいろいろな知らないことを知りたいと思うからです。なぜものごとはかくあるのか、ということ。なんでわたしはわたしで、りんごはりんごで、地球は地球なのかってこと。

もちろんこれはただの憧れに過ぎないし、いろんな文献を読み漁ってみたりしたけど、実際にその道を目指したわけじゃないからそういう勉強をしている人から見たら甘い!って思われることばかりかもしれない。
でも、そんな人生を送っている自分を想像するだけで楽しい気分になれるから良いのです。
海に潜ったり、遺跡を見たりすることが絵を描く作業にも大きな影響を与えているから、結局そんな自分は全部今の自分の中に存在しているのかもしれないのです。

あ、あとは人魚になりたいです。楽しいだろうな。
めざしてなれるものでもないんだけど。