
その世界では皆、ツノのある生き物に乗って 買い物に出かけたり 学校にいったりする
ツノのある生き物に名前はない。皆「ツノのあるやつ」と呼んでいる。
ツノのあるやつは、早く走ることができる。
ツノが大きいやつほど、早く走ることができる。
「ツノのあるやつ」の仲間にはいろいろいて
翼が生えていて空を飛べる乗り物は「ハネのあるやつ」と呼ばれている。
足が水かきになっていて水中に潜れる乗り物は「もぐれるやつ」と呼ばれている。
ツノもハネもヒレもない、「ふつうのやつ」もいる。
その世界の人々はずっと昔から彼らに乗ってきたけれど
実際のところ彼らがいつ、どこからやってきたのか
知る者は誰もいない。
彼らの顔だちが 妙に自分たちに似ていることに 気づくものも誰もいない。