
幼なじみの結婚式が横浜であり、披露宴と二次会の間が空いていたため一人大桟橋に来ています。この場所からちょうど二年前、101日間の船旅に出航したのです。みんなに手を振って、振られて、出航の歌が流れる中あのベイブリッジの下をくぐって、だんだんと小さくなっていく横浜の景色を見つめながら。
そうしてぐるり地球途中下船の旅を終えて戻ってきて、橋の下をもう一度くぐった時に、ああ、帰ってきたんだ、という旅が終わった実感がはじめてわいたのを覚えています。またここに立って一人海を眺めていたら、なんだかいきなり何かがこみあげてきて、津波みたいに心が泡だった。このままでいいのか、今の自分のままでいいのか、と叫びだしたくなる。
でもああ、いい潮風だ。 こんな日の甲板からはたくさんの星が見えるんだ。